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ファーム通信

楽天・石原彪 「犬鷲のドカベン」を目指して/ファーム

 

パワフルな打撃が魅力的な発展途上の捕手。リード面で腕を磨き、「第2捕手争い」に参入したい


 記念すべきプロ初安打は昨年10月5日のロッテ戦(楽天生命パーク)で生まれた。「九番・捕手」でスタメン出場を果たすと、3回の第1打席で左前安打。その後、プロ初盗塁となる二盗も成功させる。身長172センチ、体重96キロの巨漢だが、「短距離、1本だけなら自信があります」とニヤリ。さらに、守っても初回に中村奨吾の二盗を刺すなど、攻守走で躍動を見せた。一軍デビューから4試合目での「初ものづくし」に「2年目に1本出しておきたいと思っていた。打ててホッとしてます」と笑顔を見せた。

「肩の強さがなくなったら、自分には残るものがない」と公言するほど、強肩には絶対の自信を持っている。その一方で、技術向上の必要性も感じていた。二塁送球の際には、内野手が捕球しやすいようにシュート回転の珠を意識する。右足に重心をしっかりと乗せ、送球の安定性と速さを意識して練習を重ねている。

 京都翔英高時代には、その体型と強打から「京都のドカベン」と呼ばれた。高校通算42本塁打のスラッガーだ。だが、武器はそれだけではない。栗原健太二軍打撃コーチはしなやかなバットコントールを長所に挙げ、「スイングのタイミングが良くなってきている」と評価する。

 同期のドラフト1位は藤平尚真。昨季10月1日のオリックス戦(楽天生命パーク)でバッテリーを組んだが、6回5安打4失点と勝利に導くことはできなかった。いすれもイーグルスの未来を担う存在。ドラ1&ドラ8バッテリーによる勝利は、チームが待ち望んでいるものだ。

 現在、正捕手・嶋基宏は変わらず絶対的存在として君臨している。その一方で、第2捕手は決め手を欠いている状況だ。二軍には1歳年上の堀内謙伍というライバルもいる。未来の正捕手へ向けた競争はし烈だが、必ず勝ち残ってみせる。

写真=BBM

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