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ファーム通信

阪神・齋藤友貴哉 常に強いボールを投げる/ファーム

 

二軍で自分の投球を見つめ直し、納得のいく投球フォームを身に付け一軍に昇格した齋藤。ここから目標の50試合登板を目指し結果を残していく



 防御率は悪くない。しかし開幕一軍の切符はつかめなかった。今では「すべての球を全力で投げていたからだと思います」とその理由を理解している。降格した当初は「ブルペンでなかなかストライクが入らなかったことも影響したのかな」と思うこともあった。一方で、キャンプ中の実戦マウンドでは結果を残していただけに、残念な気持ちが残っていた。

 ある日、担当スカウトの畑山俊二スカウトから「今の投球だと打ち取るパターンが見えてこない」との助言を受けた。春季キャンプ中はすべてにおいて全力で目いっぱいの力を使って投げ込んでいたことに気が付いた。それ以降は、常に腕の振りの速さのみを意識した投球フォームへと変え、球に強さとノビを与えたいと考えた。社会人時代も腕の振りに関しては常に気を付けていたが、現在はより強く腕を振るように気を付けている。

「投げる瞬間までは力感をなくし、ボールをリリースするときに、すべての力を指先に伝えたいんです。その中で変化球のときには真っすぐ以上に2、3倍強く振るように心掛けています」

 体中に力がみなぎっていた投球フォームからの脱却を目指しワインドアップに変え、足を上げるときにリラックスできる状態を見つけた。それがセットポジションのときにもいい作用をもたらした。

「軽く投げた感覚でも149キロの数字がでるようになりましたし、今はコースも狙いながら投げています」。投球フォームで強弱をつけることができるようになったことで、投球にも幅ができ、自分の思い描いた配球で打ち取るパターンを確立しつつある。

「目標は1年目から50試合登板」と語る齋藤。二軍で6試合無失点。防御率0.00の結果を残し、4月17日、一軍初昇格。4月26日に登録抹消となったが、キャンプ後からの成長を、一軍のマウンドで結果としてもう一度見せるつもりだ。

文=椎屋博幸 写真=BBM

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