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ファーム通信

DeNA・勝又温史 一軍デビュー間近な剛腕/ファーム

 

横浜スタジアムには小さいころから足を運んでいたという勝又。あこがれの場所で躍動を誓う


「ハマの剛腕」の一軍デビューはそう遠くはないかもしれない。東京・日大鶴ケ丘高からドラフト4位でDeNAに入団した勝又温史は、最速152キロの速球が魅力の将来のエース候補だ。1月の新人合同自主トレーニングで球団関係者を驚かせたキャッチボールは、肩の高さで放ったボールが重力を忘れたかのようにどこまでも伸びていく。そのインパクトは1位入団で開幕からローテーションを守っている上茶谷大河をも上回り、視察した一軍首脳陣の脳裏に強烈なイメージを残した。

 その証拠に、ラミレス監督は2月の沖縄・宜野湾キャンプでの練習試合に一度、二軍から勝又を呼び寄せている。一昨年の京山将弥、昨年の阪口皓亮と高卒ルーキーは1年間、頑としてファームで経験を積ませてきた球団では異例のことだった。その韓国KIAとの練習試合こそ、緊張か力みか、一死も奪えず5失点と苦い経験となったが、イースタン・リーグ開幕後の投球は圧巻と言っていい。

 4月30日までに5試合に登板して計8回を無失点。打者27人から11三振を奪い、安打はわずか内野安打1本のみ。それどころか、ここまでほぼ1試合分を投げて打球が外野にすら飛んでいない。まさに末恐ろしい大器の片鱗を見せている。

 強豪・日大三高を倒すことを目標に日大鶴ケ丘高に進学し「150キロを投げられれば有名になれる」と鍛練を積んだ根性派。甲子園出場はないが、同世代の根尾昂中日)、藤原恭大ロッテ)や吉田輝星日本ハム)にライバル心を燃やし「プロ野球界で有名になるには160キロ」と夢を語る。

 ドラフト後の仮契約を焼き肉店「叙々苑」で行い、入寮時には持参したウクレレで報道陣に「男の勲章」の歌と演奏を披露したひょうきんな一面も。ファンに愛される要素であふれている。

写真=BBM

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