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ファーム通信

巨人・堀岡隼人投手 3年で10キロ増。育成7位からの挑戦/ファーム

 

支配下昇格後、一軍2試合の登板を経験した巨人堀岡隼人


 育成ドラフト7位からの大出世だ。悲願の支配下昇格直後だった堀岡隼人は、8月1日の広島戦(東京ドーム)で“奪三振デビュー”を飾った。6点差に広げられた直後の9回二死から打者1人に対してのわずかな出番だったが、チームとファンに可能性を感じさせた。

 強打の捕手・会沢翼を150キロの伸びのあるストレートで追い込み、最後はカットボールで空振りを誘った。試合後は「チャンスをもらえてうれしかったです。(デビューの記念球は)バッグに入れたまま横浜への荷物(翌日からビジターでの試合だった)に出しちゃいました」と初々しい笑顔をのぞかせた。遠かった一軍の舞台にようやくたどり着いた喜びを隠せなかった。

 2016年の育成ドラフト7位で青森山田高から入団。当初は最速が140キロほどだった。1年目の17年10月に右ヒジのクリーニング手術を受け、入団から2年間は故障と向き合う日々が続いた。それでも3年目の今季は4月19日の阪神とのファーム交流戦(ジャイアンツ球場)で公式戦初登板を果たし、最速が154キロまで伸びた。7月26日、念願の支配下登録を勝ち取り、背番号は「013」から「95」に変わった。その時点での二軍成績は15試合0勝0敗3セーブ、21イニングで2失点の防御率0.86という圧倒的なもので、二軍のクローザーを任されるまでに成長。結果で一軍切符をつかみ取った。

 威力のある直球とタテに割れるスライダー、チェンジアップが武器の右腕は「将来的にはクローザーになれたら。160キロも目指したい」と目標を掲げる。三軍の井上真二監督は「故障で今年ようやく存分にプレーできるようになった。経験が少ない分、これからもっとレベルアップしていける」と20歳の将来性に期待を寄せた。近年、救援陣が課題とされるチームに現れた剛球右腕。サクセス・ストーリーは幕を開けたばかりだ。

写真=BBM

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