今年もまた、ドラフト会議が近付いてきた。1965年秋からスタートし、今年で56回目。制度をさまざまに変えながら歴史を紡いできた。ここでは2019年のドラフト会議まで、1年ごとに振り返っていく。 2位重複指名でトラブルが
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巨人を逆指名した慶大・高橋
逆指名制度が行われていた時代の中で、その動向が大きく注目された1人が、1997年の目玉選手、慶大の
高橋由伸だった。東京六大学リーグで法大の
田淵幸一(元
阪神ほか)が持っていた本塁打記録を更新する23本塁打を放った。その争奪戦はドラフト前から繰り広げられたが、高橋はドラフト直前の11月になって巨人入りを表明した。
高橋のライバルであった明大の
川上憲伸も逆指名で同一リーグの
中日に入団。ライバル関係はプロ野球に入っても続き、名勝負を繰り広げた。
一方抽選となる高校生では、平安高の
川口知哉が大きな注目を集める。ドラフトでは近鉄、横浜、
ヤクルト、
オリックスの4球団から1位指名を受け、オリックスが交渉権を獲得した。また、2位指名でも抽選が行われた。仙台育英高の
新沼慎二がヤクルト、
日本ハム、横浜の3球団から指名を受けた。
2位の指名重複の場合、成績上位の球団からクジを引く規定になっていたが、このときにコミッショナー事務局が間違った指示を出してしまい、横浜がクジを引き当てた。その後、ヤクルトが異議を申し立てるも、横浜指名で新沼側が会見を行っており、事務局が不手際を認め、3球団が了承した。異議を申し立てたヤクルトは現在でも現役を続けてる敬愛学園高の
五十嵐亮太を2位で指名した。
【1997年ドラフト12球団1位】
ロッテ 渡辺正人(上宮高/内野手)
中日 川上憲伸(明大/投手)
ダイエー
永井智浩(JR東海/投手)
阪神
中谷仁(智弁和歌山高/捕手)
日本ハム
清水章夫(近大/投手)
巨人 高橋由伸(慶大/外野手)
近鉄
真木将樹(法大/投手)
広島 遠藤竜志(NTT関東/投手)
オリックス 川口知哉(平安高/投手)
横浜
谷口邦幸(町野高/投手)
西武 安藤正則(専大/投手)
ヤクルト
三上真司(敦賀気比高/投手)
この年は、実力のある選手たちも入団した。1位では1999年のダイエー優勝に貢献するJR東海の永井智浩、2位では水戸商の
井川慶が阪神に指名された。3位では2005年、ロッテの中継ぎとして優勝に貢献した西濃運輸の
藤田宗一の名がある。
さらに4位以下の指名ながら活躍した選手も多い。その筆頭格が中日5位の
井端弘和(亜大)。
坪井智哉(東芝)は4位で阪神入りし球団新人安打の記録をつくった。
写真=BBM