今年もまた、ドラフト会議が近付いてきた。1965年秋からスタートし、今年で56回目。制度をさまざまに変えながら歴史を紡いできた。ここでは2019年のドラフト会議まで、1年ごとに振り返っていく。 巨人は逆指名で上原、二岡
西武、日本ハム、横浜の3球団が1位指名し、西武が交渉権を得た松坂
1998年のドラフトは、横浜高の
松坂大輔と大体大の
上原浩治が注目されたドラフトだった。大学、社会人は逆指名があったため、上原浩治はメジャーか日本かを熟考の末、
巨人を逆指名した。
そのほか逆指名では近大の
二岡智宏が巨人に2位。PL学園高時代には近鉄の指名を拒否した日本生命の
福留孝介が
中日を逆指名し1位入団。その中日で歴代最多407セーブを挙げた
岩瀬仁紀も2位で逆指名入団した。
そしてドラフトでは松坂が何球団の指名があるか期待されたが、フタを開けてみると西武、日本ハム、横浜の3球団のみで、西武が交渉権を得た。この年は有力選手が多く豊作であったため、各球団が1位指名で違う選手たちの獲得を目指したことで松坂は3球団のみとなった。
1位指名にはのちに
ロッテの守護神として活躍した東京ガスの
小林雅英。さらに
阪神でリリーフとして成績を残し、今季限りで引退を表明した高知商高の
藤川球児。
広島で内野の要として活躍した敦賀気比高の
東出輝裕などがいる。
2位にも、ロッテの正捕手で第1回WBC優勝時の正捕手でもある帝京大の
里崎智也。
オリックスのエースとして活躍した日産自動車の
川越英隆。日本ハムに入団した松下電器の
建山義紀は、その後メジャーでも活躍した。
【1998年ドラフト12球団1位】
ロッテ 小林雅英(東京ガス/投手)
阪神 藤川球児(高知商高/投手)
近鉄
宇高伸次(近大/投手)
広島 東出輝裕(敦賀気比高/内野手)
ダイエー
吉本亮(九州学院高/内野手)
ヤクルト 石堂克利(愛工大名電高/投手)
オリックス △
新垣渚(沖縄水産高/投手)
巨人 上原浩治(大体大/投手)
日本ハム
實松一成(佐賀学園高/捕手)
中日 福留孝介(日本生命/内野手)
西武 松坂大輔(横浜高/投手)
横浜
古木克明(豊田大谷高/内野手)
※△は入団拒否し、その後の指名でプロ入り 3位以降では、東洋大の
福原忍が阪神に入団し、先発や中継ぎとして活躍。05年のリーグ優勝にも貢献した。4位では、日本ハムを強豪チームに押し上げた一人でもある帝京高の
森本稀哲がいる。さらに5位には、2年目で首位打者を獲得した住友金属の
金城龍彦が横浜に指名された。
そして下位指名ながら2000安打を達成した駒大の
新井貴浩がいる。広島に6位指名を受け入団。たゆまぬ努力で四番打者に成長。阪神にFA移籍した後、16年に広島復帰。そこから打の、そしてチームの中心としてリーグ3連覇に大きく貢献した。
写真=BBM