リーグ4連覇となれば西武以来ですよね。オリックスは達成できるだけの戦力と戦略があるチームです[写真=BBM]
先日、同郷・茨城県の同級生で、高校時代はライバル? だった
吉田剛(元近鉄ほか)のお店に行ってきました。高校時代、取手二高で主将だった吉田。彼の話を聞くと「高校2年のときにセンバツに出て、甲子園は夢の場所ではなくて、行く場所になった」とのこと。県大会のカベを越えてしまったら、もうそこを勝ち抜くことは当たり前になるという考えです。
個人的にも西武時代、補欠でありながらも、リーグ優勝は当たり前で、日本シリーズで
巨人に勝って初めて日本一だ、という考え方がチーム内にありました。それと同じようなもんだな、と思いましたね。
なぜこういう話をするかというと、今年のオリックスは4連覇を目指せるか、ということを今週のテーマにしようと思ったからです。多分、オリックスの選手たちもそう思っているはずです。4連覇を目指すのではなく、そこをいかに達成するかを考えていると思いますね。そのためのキャンプを個人個人が目標を持ってやっていたのではないかと。それぐらいの考えができないと、リーグ3連覇はできないですから。
ではデーブ的に、4連覇の可能性は? と聞かれると「十分にある」と答えます。その理由の前に懸念材料から。昨年11勝(5敗)の
山崎福也(
日本ハム)と16勝(6敗)の
山本由伸(ドジャース)の27勝がなくなるわけです。昨年は
吉田正尚(レッドソックス)が抜けました。それでも3連覇。そこまで影響が大きくなかったのは打者だから。やはりエースがいなくなるのは痛いですよね。首脳陣にとって任せておけば、貯金10くらいはしてくれる投手がいなくなったのです。そこに11勝の左腕もいない。この27勝を作り出すのは非常に難しいんです。
でも、デーブ的にはそこも何となく作り出してしまうのではないかという雰囲気がオリックスにあると思うのです。多分、編成と現場のコミュニケーションがしっかりしているのだと思います。だから、次々に同じような力を持った選手が活躍しているのだと思います。
ここに名将・中嶋(
中嶋聡)監督の采配があります。彼のすごいのは余計なことはマスコミに言わない。私のような小物などは言わないでいいことも言ってしまうので、心理を見透かされてしまいます(笑)。昭和の名監督のような雰囲気が、チームに安定感をもたらしていますよね。年下ですが尊敬する大監督です。
そこもありながら、編成チームがかなり早い段階で山本が抜けた場合、山崎が抜けた場合という状況を想定し、さまざまなミーティングを綿密にしていると思います。今年はその状況にあった投手を配置するので問題なく優勝争いをしていくと私は見ています。
そこでデーブ的に、オリックスへの注目すべき点としては、この編成と首脳陣で練って起用する投手たちに負けが続いたときです。このときに次の手をどう打ってくるのか、そこは非常に楽しみであります。