週刊ベースボール4000号記念トークイベント第2弾として行わるのが、「江川卓×掛布雅之」の組み合わせだ。トークテーマは「伝統の巨人・阪神戦」。盛り上がることは必至だが、トークショー開催に先駆けて、2人の好敵手物語をお届けする。 昭和とともに区切りを迎えた1つの時代

東京ドームの「こけら落とし」となった阪神とのオープン戦で江川の引退セレモニーが行われた[写真=BBM]
江川卓と掛布雅之のプロでの通算対戦成績は185打席、167打数48安打、二塁打5、三塁打0、本塁打14、犠打飛0、四球18(うち敬遠3)、死球0、三振21、打率.287。どちらが極端に得意にしていたわけではない。
江川のプロ生活における通算被打率は.236(6890打数1628安打)。その数字が、掛布のような強打者を相手にして大きくなるのは、2人の特別な関係性を感じる。
そして掛布の通算打率は.292だが、こちらも江川のような一流投手に限定すれば数字が落ちるのは、やはり妥当なところ。しかし、わずかに5厘しか下がらなかったのだから、実質的には掛布に分があったと見てもいいかもしれない。
掛布の通算成績は5673打数で349本塁打なので、本塁打率は16.3。約16打数に1本のホームランが出たということ。ところが、「対江川」に限ると167打数で14本塁打、本塁打率11.9に上がる。つまり、「対江川」では本塁打を打つ確率が上がったのである。一流投手を相手にしたときにそうなるのは珍しく、江川と掛布が「本塁打か三振か」という勝負を繰り返していたことの証明にならないだろうか。
阪神が優勝した85年、チーム打率.285だったが、対戦球団別では巨人戦.229と1球団だけ苦手にしていた(巨人以外の4球団からの合計打率.298)。「バックスクリーン3連発」の印象が強いが、シーズン全体では巨人戦で打ちまくったわけではないのだ。この年の江川はシーズン11勝のうち3勝を阪神から挙げており、対掛布は14打数2安打。対戦打率.143と、初めて2割を切って1割台に抑えた。ただし、2安打はいずれも本塁打で、6月4日(甲子園)の4回に一時は同点に追いつく14号2ランと、8月15日(後楽園)の初回の29号ソロで、どちらもライトスタンドに放り込まれたもの。しかし、両方とも試合は巨人が勝った。阪神の21年ぶりの優勝に沸いた年だったが、江川は巨人のエースとして、意地を見せたのである。
そして87年限りで江川が引退すると、翌88年に開場した東京ドームの「こけら落とし」として行われた阪神との春のオープン戦で、江川の引退セレモニーが開催された。試合前のマウンドに立った江川は打席の掛布にボールを投じ、9年間のプロ野球生活に別れを告げた。ここで掛布が阪神を代表して打席に立ったことが、数々の名勝負を繰り広げてきた2人の特別な関係を表しているのではないか。掛布もこの年限りで引退し、1980年代のプロ野球を盛り上げた1つの時代が昭和とともに区切りを迎えた。
江川卓と掛布雅之が語る「伝統の巨人・阪神戦」 週刊ベースボール4000号記念トークイベント開催! 【日時】2025年9月28日(日) 12時開場 13時開演(14時半・終演予定)
【会場】ベルサール半蔵門[東京都千代田区麹町1-6-4 住友不動産半蔵門駅前ビル2F
【ゲスト】江川卓 掛布雅之
【MC】上重聡
◆会場チケット 料金:8,500円(別途手数料がかかります)
◆配信チケット 料金:2,000円(別途手数料がかかります)
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