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悲劇の10.19とは

【悲劇の10.19とは03】「あふれんばかりのお客さんで…」川崎球場はいつもと違う異様な雰囲気

 

 週刊ベースボール4000号記念トークイベント第3弾として行わるのが、「梨田昌孝×西村徳文」の組み合わせだ。トークテーマは「10.19の真実」。盛り上がることは必至だが、トークショー開催に先駆けて、1988年に近鉄が見せたドラマチックな「10.19物語」をお届けする。

「段々と異様になってきた」


1988年の金村。10.19当日はケガのため試合に出られなかった


 泣いても笑っても、残り2試合。10月19日のロッテとのダブルヘッダーに連勝すれば、近鉄が逆転優勝となる。1試合でも引き分けなら、優勝は西武。条件は厳しいが、勢いに乗る近鉄と、最下位のロッテ。前日の同カードも近鉄が10点差で勝ったのだから、可能性は低くない。

 近鉄のレギュラー三塁手だった金村義明は打率.288、14本塁打という成績を残していたが、10月13日の試合中のプレーで左手首を骨折。その時点で「今季絶望」となり、登録を抹消されていた。チームが日本シリーズに進出しても、出場は不可能。本来は大阪の自宅で休養する立場だったが、金村は川崎球場にやって来た。

「ダブルヘッダーを含む最後の3試合が川崎で始まる前日に電話をいただき、仰木監督から『おまえがおったからここまで来られたんや。東京に来い』と言われました。僕の代わりに三塁を守った吹石(吹石徳一)さんも『おまえの代わりに頑張るから、東京で待ってるで』と。それで僕もギプスをして東京に行ったんです。優勝するつもりでしたから、銀座でお店を回って、祝勝会の手配をしました。『明日優勝したらみんなで来ます』と。僕のできることはそれしかなかったので。10月19日はホテルで昼くらいに起き、タクシーで川崎球場に向かいました。着いたのは第1試合の7回くらいでしたが、あふれんばかりのお客さんで、見たこともない光景でした」(金村)

 2日前に西宮で完投したばかりの近鉄のエース・阿波野秀幸は振り返る。

「球場入りした時点ではいつもと同じ雰囲気だったんです。それが段々と異様になっていきました。第1試合の終盤には満員になって、これはちょっと違うぞと。試合開始時点では、満員じゃなかったんですよ。僕は2日前に完投していましたが、この日はリリーフの可能性がある。2試合のうちどちらかには投げるだろうということで、準備していました」

8回に同点に追いついた近鉄


 第1試合は、15時00分ちょうどにプレーボール。近鉄・小野和義、ロッテ・小川博の先発で静かに始まった。この時点では比較的、静かだったのだ。しかし、10月の平日昼間の川崎球場と思えば、観客はかなり多かった。

 初回、ロッテは先頭打者の西村徳文が右安打で出塁し、三番・愛甲猛の17号2ランで先制。近鉄は5回、鈴木貴久が20号ソロを放ち1点差に迫る。ロッテからは7回に佐藤健一の適時二塁打が出て3対1と突き放したが、近鉄も粘る。8回に村上嵩幸の2点二塁打で同点に追いついたのだ。

 だが、優勝するには引き分けではダメ。しかも当時のルールで、ダブルヘッダーの第1試合は9回が終わった時点で同点なら打ち切り=引き分け、と決まっていた。どうしても、9回表に勝ち越した上でその裏を抑えないと、シーズンが終わる。

=続く=


梨田昌孝×西村徳文が語る「10.19の真実」
【日時】2025年10月9日(木) 17時開場 18時開演(19時半・終演予定)
【会場】ニッショーホール[東京都港区虎ノ門2丁目9-16]
【ゲスト】梨田昌孝 西村徳文
【MC】上重聡
◆会場チケット 料金:6,000円(別途手数料がかかります)
【お申し込みはコチラ】「会場チケット」

◆配信チケット 料金:1,500円(別途手数料がかかります)
【視聴期日】当日〜2025年10月16日(木)23:59まで
【購入期日】2025年10月16日(木)21:00まで
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写真=BBM

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