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阪神・大竹耕太郎が、スローボールを投げて発見した独自の視点

 

2026年プロ野球シーズンが開幕。阪神タイガースのローテーションの一角を担う大竹耕太郎は、チームの連覇とキャリアハイの個人成績を見据える。代名詞のスローボールをいかに使うのか。相手バッターのタイミングを外し、観客を沸かせる超遅球のもう一つの効果を、3月21日に発売された、大竹初の自著『覆す』(ベースボール・マガジン社刊)より抜粋、編集してご紹介しよう。

完成した著書『覆す』を手にする大竹耕太郎©阪神タイガース


スローボールは必要十分条件だと発見した


 僕は1試合の中で数球、60、70キロ台の超スローボールを投げます。そのときは、幼いころに公園で、遊びで野球をしている感覚ですね。いろんな野球選手の投げまねをしながら、そんなに結果も求めずに、遊び感覚で野球をやっているイメージです。スローボールに関しては、打たれてもOKという気持ちで投げています。そのくらいの余裕がないと到底投げられません。

 高校時代の数学の授業で、「十分条件」、「必要条件」、「必要十分条件」というのを習いました。当時の数学の先生が、よく使われていた例をここで紹介します。

舞妓さん ならば→ 女性である 〇
女性   ならば→ 舞妓さんである ×

 このように、矢印が一方向にしか成立しないものではなく、双方に矢印が向いても成立するものを必要十分条件と言いますが、スローボールにおいて成立する、双方への矢印があると気づきました。

余裕がある状態    ならば→ スローボールを投じる 〇
スローボールを投じる ならば→ 余裕がある状態 〇

 これでも成立するんだというのを、2024年4月20日の甲子園での中日ドラゴンズ戦(当時監督の岡田彰布さんに「もっと遊び心を」と言われた試合)で発見したのです。スローボールを使っていくことで、投球にもリズムや余裕が生まれていく。あぁ、これはお互いが成り立っている、必要十分条件なんだなとわかった一幕でした。

捕手・坂本誠志郎との間にスローボールのサインはない


 ちなみに、捕手の坂本誠志郎さんとの間にスローボールのサインはありません。直球のサインでも、投げる直前に「このまま投げるのはなんか嫌だな」と感じたときに自分の意思でスローボールを投げています。テークバックに入って相手打者を見たときにそう思うのです。それがスライダーやチェンジアップのサインだったら、そのまま変化球の握りでスローボールを投げています。

「ピッチングとはこうあるべきだ」というセオリーに疑問を持つことを大切に、これからもやっていきたいです。

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写真=BBM

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