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阪神・大竹耕太郎が、藤川球児監督の言葉「没頭」から学んだこと

 

2026年プロ野球開幕から3週間ほど。阪神タイガースの技巧派・大竹耕太郎は、チームの連覇に向けてやるべきことを常に見据えている。ソフトバンクでの最後の2年間で0勝だった左腕は、現役ドラフトで阪神に移籍後、3年間で32勝。進化の原動力は何か? ここでは藤川球児監督の言葉からの学びを、発売後大きな反響を呼んでいる大竹初の自著『覆す』(ベースボール・マガジン社刊)より抜粋、編集してご紹介しよう。

大竹耕太郎の著書『覆す』©阪神タイガース


日々の記事から藤川野球の考えをチェック


 2025年シーズンから藤川球児・現監督の指揮のもと、プレーをすることになりました。小学生のころは、左右は違えど、よく藤川監督のフォームをまねして投げていました。小さいころにテレビで見た、あのストレートは衝撃的なものでした。僕の少年時代のプロ野球の象徴とも言える方。その方のもとでプレーできることが今もうれしいです。

 藤川監督の現役時代、阪神でともにプレーをしていた選手が、今のチームにはたくさんいます。僕自身は当時、同じチームではプレーしていないため、そこは一つ、ビハインドだなと最初に思いました。

 そこで、まずは野球に対してどういう考えをされているのかを知ることから始めました。出演されているYouTubeや、インターネットの取材記事などをくまなく拝見し、就任後も同様に、キャンプからシーズンインしても日々の取材記事や試合後のインタビューなど敏感にチェックするようにしました。

 そうしていくことで、藤川監督が求める野球、選手像とは何かが少しずつですがわかっていったように思います。わかったうえで、自分自身もそれにアジャストしていきたいと思いました。

凡事徹底、準備の大切さ、そして没頭


 監督が常々言われることに、「凡事徹底」と「準備の大切さ」や「没頭」という言葉があります。基礎基本を徹底して磨いていく。それはある意味、試合への準備であるし、そこに注力していれば、試合でも落ち着いて、やるべきプレーを淡々とできるのではないかと思います。

 2026年、キャンプ地の沖縄では、ベンチやブルペンなど至るところに“没頭”の文字が掲げられています。そのキャンプでの練習中に印象的なシーンがありました。僕一人だけで、自主トレ中と同じランニングメニューをやっていたときのことです。

 ファンの皆さんが、僕の走路や休憩場所の近辺に集まってきます。走り出す前や最初の数本を走る間は、当たり前ですが、ファン同士で雑談している雰囲気がありました。「サインください」「写真いいですか」という声も聞こえます。

ファンの前でのランニングでわかった、没頭の意味


 ランニングに集中するのが難しい環境下ではありましたが、僕は集中力を持って一本ずつ取り組みました。すると途中から、ファンの皆さんが子供さんも含め、誰一人話しかけてもこず、私語すらされないような、少し緊張感の漂う雰囲気に変わっていきました。そして、最後の一本を走り切るまで、その雰囲気は崩れず、終わった瞬間に皆さんから拍手をいただきました。

 このときに、藤川監督が言われている「没頭する」ということの意味が、自分なりに少しわかった気がしました。

 選手一人ひとりのキャリアを考えてくださっていることは、おそらく選手全員が感じているはずです。だからこそ、自分自身もそれ以上に、先をどう見据えるのか、そのうえで今何が必要なのか、何をやるべきなのか、常に考えてプレーしていきたいです。

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写真=BBM

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