2018年夏、第100回の記念大会を迎える全国高校野球選手権。週刊ベースボール編集部では、高校野球史に刻まれた熱闘を振り返る『名勝負ランキングベスト100(仮)』を企画・制作中だ。そこで、週刊ベースボールONLINE特別企画として、年代ごとに名シーンを秘蔵写真とともにプレーバックしていく。
2010年代

2015年 第97回全国高校野球選手権大会 決勝
2015年 第97回大会 決勝
東海大相模[神奈川]10-6仙台育英[宮城]
4万3000人の大観衆で埋まった甲子園は終盤、異様な雰囲気となった。3点を追う6回裏、仙台育英の攻撃である。一塁アルプススタンドのタオルを振り回す応援スタイルはネット裏、内野席、さらに外野まで飛び火して、場内は完全に仙台育英一色となった。仙台育英はこの後押しにより、同点に追いつくと、6対6のまま9回表、東海大相模の攻撃を迎えた。先頭の
小笠原慎之介は仙台育英・
佐藤世那の初球のフォークを、右中間スタンドへ運んだ。これが決勝ソロとなり、左腕エース・小笠原はその裏を抑えて45年ぶりの夏王者に。春夏を通じて東北勢初の甲子園制覇を狙った仙台育英は3度目(1989年夏、2001年春)の決勝も、頂点まであと一歩届かなかった。