何かと新戦力が話題となるのが春季キャンプ。目標は各球団とも「優勝」。そのためには必ずキーマンとなる選手が投手にも野手にもいる。そんな各チームの優勝へカギを握る選手たちは誰なのか。 投手編・則本昂大 キャリアハイでエースの証明を

自身の雪辱を目指す大事なシーズンでもある
キャンプイン直前、
田中将大(前
ヤンキース)の電撃復帰もあり、
則本昂大、
岸孝之、
涌井秀章という実績十分の“4本柱”が完成した。8年ぶりのリーグ優勝、日本一への機運は高まるばかりだが、そのためには則本昂が生え抜き9年目のエースとして、復権を果たすことが不可欠なのは言うまでもない。
2017年に自己最多タイとなる2度目の15勝をマークしたが、以降は10勝、5勝、5勝と3年連続で貯金をつくれず。昨季はコロナ禍で1カ月以上、球団の施設を使えず、満足な調整ができなかったのが響いた。
田中将は自身のルーキーイヤーだった13年に完全無欠のシーズン24連勝をマークした大きな存在。それでも則本昂は昨年12月に節目の30歳を迎え、これまで大先輩と行ってきた合同自主トレから“独立”した。「一流の方から受け継いだノウハウを教えていかないと」と、チームの後輩を連れて自主トレを行った。
選手会長を務め、チームを支える自覚の芽生えた右腕が目指すのは、キャリアハイの16勝以上だ。4人合わせて日米通算538勝という超豪華カルテットだが、最年少右腕が勝ち頭を手にすれば優勝に近づく。
■2020年成績■ 18試合5勝7敗0S0H防御率3.96 ■2021年期待数字■ 16勝以上 打者編・茂木栄五郎 キャプテンとして完走する!

中軸としての資質も高い
三木肇前監督に指名され、2020年からキャプテンに就任した。そして契約更改を行った昨年12月9日に
石井一久監督と電話会談を行い、「来季(21年)もキャプテンをやってもらいたい」と直接要請された。「(キャプテンに就任した昨季は)『自分がやらなきゃ』と自覚が芽生えたシーズンだった」と振り返る。今季はそこからさらに一歩踏み込み、チームへの影響力を示したいところだ。
昨季は打率.301とまずまずの数字を残したが、規定打席には到達しなかった。9月末に腰痛により登録を抹消され、不完全燃焼のままシーズン閉幕を迎えた。「離脱してしまったことに悔いが残る。(成績については)『もっといけるな』と自分に期待している部分もある」と語る。
歴代のキャプテンは鉄平、
松井稼頭央、
嶋基宏、
銀次と、文字どおり“チームの顔”だった。茂木がその域に達するためには、相応の成績が求められる。コンディションを万全に整えて、自身初となるフル出場、規定打席をクリアしての打率3割超えを目指したい。昨季は四番に起用されるなど、パンチ力も秘める6年目の内野手。攻守走で存在感を発揮してチームを2度目の歓喜へ導く。
■2020年成績■ 73試合83安打7本33打点8盗塁 打率.301 ■2021年期待数字■ フル出場&打率3割