何かと新戦力が話題となるのが春季キャンプ。目標は各球団とも「優勝」。そのためには必ずキーマンとなる選手が投手にも野手にもいる。そんな各チームの優勝へカギを握る選手たちは誰なのか。 投手編・R.マルティネス 絶対的な抑えがいる安心感

193cmの長身から投げ下ろす速球が大きな武器。今年も頼れる守護神として期待大
今季も投手陣を中心に僅差をものにしていく戦いが勝利への近道となる。だとすれば最後の抑えが何よりも重要だ。その大役をこなせるのは、今季も
ライデル・マルティネスしかいない。
昨季は開幕当初こそ中継ぎだったものの途中から抑えに座り、球団記録となる161キロをたたき出すなど21セーブを記録。防御率1.13も圧巻だったが、何より一度も失敗がなかった。投手陣の継投が機能したのは、最後にライデルがいたからだ。それがチームの安心感にもなった。
気になるのは調整不足だ。助っ人の来日が遅れているのは、どの球団も同じだが、果たしてどこまで体が仕上がっているのか。今季で来日4年目と日本に慣れている点は心配ないが、昨季終盤はコンディション不良によって戦線離脱のままシーズン終了となっている。
仮にライデルが万全でないとなると、一気にVへの暗雲が立ち込める。五輪予選のためにキューバ代表で抜ける以外、常にチームにいてもらわなければならない存在なのだ。ライデルが今季も期待どおりの活躍をすることができれば優勝が限りなく近づく。そのためのノルマが40セーブ。決して不可能な数字ではない。
■2020年成績■ 40試合2勝0敗21S7H防御率1.13 ■2021年期待数字■ 40セーブ 打者編・京田陽太 二番として打線のつなぎ役に

走者を置いての打撃は課題の一つ。不振なら下位打線に回るか、それとも……
今季の70本塁打と429得点は12球団ワースト。本塁打が急に増えることはないが、得点ならアップは可能だ。四球をもぎ取り、犠打や犠飛を絡め、本塁打は出なくても二塁打を増やす。打線がつながれば得点力は必ずアップする。そのためのキーマンが
京田陽太であり、その京田が二番の役割を果たすことができれば打線は必ずつながる。
昨季序盤に低迷した理由は二番打者だった。
平田良介が不振、苦肉の策で
大島洋平や
アルモンテにも打たせたがうまくいかず、終盤に京田を置いてチーム状態が上がった。足も使える大島-京田の一、二番コンビが相手チームにとっては嫌らしく、今の打線を考えればベストなのだ。
ただ、今の京田が二番打者としての資質を持っているとは言い難い。淡白な打撃が目立ち、昨季の打率は.247。送りバント、進塁打なども得意とは言えない。この春季キャンプでは打撃向上とともに、二番としての小技、そして粘り強さを身につけたいところだ。
3年目の
根尾昂、ルーキーの
土田龍空がショートのポジションを狙っている。先輩として、選手会長として、負けるわけにはいかない。
■2020年成績■ 120試合109安打5本29打点8盗塁打率.247 ■2021年期待数字■ 打率.280で二番定着