一軍の舞台での「.300」が高い壁となっている中でも、その壁を乗り越える可能性を感じさせる逸材がそれぞれのチームにひしめいている。各球団担当が「彼こそは」とオススメする未来のスター候補たちを紹介していこう。 ※年齢は2025年の満年齢、年数は育成選手も含め入団からもの ※成績・情報は8月31日現在 写真=BBM 阪神・高寺望夢 若手NO.1のミート力
柔軟性のある、脚力を生かした守備が魅力とされながらも、実はバットコントロールの良さも高評価を受けての入団で、攻守走に優れている。高卒1年目のみやざきフェ
ニックス・リーグでは打率5割を超えた。2022年には一軍春季キャンプに参加して一軍デビューを果たしたが、
岡田彰布政権中の2年間は一軍出場なし。
しかし、24年は二軍でリーグ最多安打、最多三塁打を記録。これを見ていた
藤川球児監督が打撃を優先させるため左翼でスタメン起用。現在は打率.245だが、バットコントロールの良さを垣間見せている。一軍のスピードに慣れたら3割を打てるだけの資質は十分に持ち合わせている。
巨人・石塚裕惺 “顔”となるスター候補

巨人・石塚裕惺[内野手/19歳/1年目]
高卒野手が伝統球団からドラフト1位指名を受けたとなれば、周囲の期待が高まるのは当然。左手のケガで出遅れたものの、リハビリ期間に二軍調整中だった
坂本勇人をはじめ先輩たちからプロの何たるかを学び、「ケガの功名」としたのは“持っている”証しだ。
シーズンに入ってからの故障離脱もあったが、着実に経験を重ねながら広角に打ち分ける強打で存在感を増している。二軍戦で打率3割超は、高卒ルーキーとしては合格点。一軍デビューがカウントダウンに入っているが、チームが求めるのはその先のチームを背負うスターへの成長。自身も「いずれは“ジャイアンツの顔”と呼ばれるような選手になりたい」と大きな夢を抱いている。
DeNA・松尾汐恩 近未来型打てる捕手の代表格
昨季はファームを主戦場に打率.326という成績を残すと、一軍初出場を果たし、ポストシーズンでもマスクをかぶって日本一にも貢献。飛躍を誓った今季、ファームでは.386と無双状態で、一軍でも
バウアーや若手先発陣中心にコンビを組み、8月までに65試合に出場し経験を積んでいる。
5月には月間打率.429という好成績を残したが、その後は一軍の壁に苦しみ.245という数字にとどまっている。しかし、誰に聞いてもその打撃センスを絶賛するほどで、率だけではなく長打も期待できる。チームには
山本祐大、
戸柱恭孝がいるが、その2人からポジションを奪ったとき、次世代の「打てる捕手」の代表格となっているはずだ。
中日・森駿太 目指せ! 3割&30本塁打

中日・森駿太[内野手/19歳/1年目]
タイプ的にはアベレージヒッターではなく、30発を期待したいスラッガーであることは百も承知。チームも将来のクリーンアップ候補として獲得し、持ち味の長打力に重点を置いた指導をしている。しかし、その長打力に加えて3割近い打率も残せるようになれば鬼に金棒、
ヤクルトの
村上宗隆のような打者になれる可能性を秘めている。
そのために必要なのはミート力。本人も「1球で仕留められる打者になる」ことを念頭に置いてバットを振る。甘い球を高い確率で捉えられる技術を身につけたい。まだ高卒1年目のルーキーではあるが、将来は3割&30本塁打を期待せずにはいられない若竜だ。
広島・仲田侑仁 パワーが持ち味「未来の主砲」
身長187cm、体重107kgの堂々たる体格から繰り出す、力強いスイングと長打力が最大の武器。「未来の主砲」の呼び声高く、昨季の最終戦で球団史上初の高卒新人四番として一軍デビューし、初安打を放っている。昨秋のみやざきフェニックス・リーグではほぼ全試合で四番を任され、そのポテンシャルへの期待値は高い。春季キャンプは一軍で鍛錬を積み、目指す姿を明確にしてきた。
打撃のタイミングの取り方を課題に取り組み、打席での考え方も整理して臨む。二軍で昨季を大幅に上回る試合数・打席数を重ねる中、夏場は逆方向への打撃の感覚をつかむなど手応えがあった。チャンスに強い打者を理想に、重ねた場数を力に変える。
ヤクルト・田中陽翔 高卒新人最速デビューの有望株

ヤクルト・田中陽翔[内野手/19歳/1年目]
センバツ優勝も経験した健大高崎高では通算21本塁打を記録。広角に打ち分ける打撃技術が光る有望株だ。プロの舞台でも逆方向への長打を積み重ね、5月はイースタン月間打率.279、6月は同.295。遊撃手として先発出場を重ねながら結果を残し、7月8日には今年の高卒新人では最速の一軍デビューを果たした。将来のレギュラー候補としての期待が高まる。
中学時代に所属した東練馬シニアでは、ヤクルトOBの
宮本慎也氏に指導を受けた。燕のレジェンドが持つ2133安打、ゴールデン・グラブ賞10回を超えることを目標に掲げ、背番号6の継承にも意欲を示す。一軍では2度の代打起用がともに見逃し三振だった。現実と向き合いながら成長していく。