真夏の到来を間近にして、2026年ドラフトの傾向が見えてきた。毎年のように好投手を輩出する大学球界は、今年も「逸材の宝庫」と言われる。中でもどの球団も需要がある好左腕が目立っている。アマチュア野球の現場の最前線で視察するスカウトの声をもとに、リストを挙げる。 
■2026ドラフト上位候補選手一覧 ※△は左投げ、左打ち
需要が増すサウスポー
2026年のナンバーワン評価は青学大の154キロの本格派右腕・
鈴木泰成である。1位入札での競合が有力で、ある球団のスカウト幹部は「順調に来ています。一番であることは間違いない」と、即戦力に太鼓判を押す。バッテリーを組む強肩強打捕手・
渡部海も完成度が高く、1位でないと獲得できない、将来の球界を背負う司令塔だ。青学大は23年(
広島・
常廣羽也斗、
阪神・
下村海翔)、24年(
ロッテ・
西川史礁、広島・
佐々木泰)、25年(
中日・
中西聖輝、
DeNA・
小田康一郎)と2人の1位選手を輩出しており、4年連続の偉業への期待が高まる。
あるスカウト幹部は26年の傾向として「関西に左投手が多いです」と明かす。関大の149キロ左腕・
米沢友翔は今春、全日本大学選手権で日本一へと導き、評価が急上昇中だ。「余力があって、力みなく投げられる。球持ちが良いから、リリースが前に来る」と、真っすぐで空振りが奪える強みがある。

関大の149キロ左腕・米沢は3年秋まで未勝利ながら今春、一気にブレークを果たした。関西学生リーグでは春31年ぶりの優勝を遂げ、全日本大学選手権では54年ぶり3度目の日本一へと導き、1位競合候補へと躍り出た[写真=太田裕史]
侍ジャパン大学代表に入った大商大・
星野世那、代表候補選考合宿に参加した立命大・
有馬伽久(25年の代表選手)、大経大・常深颯大と好左腕が名を連ねる。今春の東京六大学を制し、全日本大学選手権準優勝の原動力となった慶大の151キロ左腕・
渡辺和大については「スライダーとツーシームが同じ球速帯で来る。対になっているこの2つの変化球で三振が取れるのは魅力です」と、関大・米沢とともに12球団同時入札である1位競合候補に挙げる。
センバツ準V左腕も順調
「即戦力」の大学生に対して「将来性」が加味される高校生は「BIG3」に注目である。まずは日米争奪戦の様相を呈している横浜高の154キロ右腕・
織田翔希だ。前出のスカウト幹部は「下級生時代から甲子園でも実績を残しており、高い評価は言うまでもない。素材が素晴らしいです」と惚れ込む。山梨学院高の投打二刀流の
菰田陽生の評価も不変である。今春のセンバツ1回戦(対長崎日大高)の一塁守備における打者走者との接触プレーで、左手首を骨折。治療、リハビリを経て6月の練習試合では投打で実戦復帰を果たしており、スカウト陣も一安心。
「復帰へ向けたプログラムの中で、当初は投手に専念せざるを得ない状況下でしたが、明らかに良くなっている。ゆったりとしたフォームからスケール感が増している。打撃はセンバツ1回戦で見せた本塁打がすべて。申し分ありません」。前出のスカウト幹部がさらに注目するのは3人目、今春のセンバツ準優勝の原動力である智弁学園高の149キロ左腕・
杉本真滉だ。練習を視察したある球団のスカウトは「甲子園のまま、順調に来ています。スライダーの曲がりがすごいです。センバツでは力投派のイメージでしたが、力感がなくてもボールが行く。コントロールも抜群です」と、1位候補であることを認めた。
高校生左腕では侍ジャパンU-18代表候補の151キロ左腕・
前田侑大も注目であり「小柄を感じさせず、体全体で投げられ、スライダー、チェンジアップと変化球も操れる」とNPBスカウトは好評価した。このほか投手では大学日本代表に入った富士大・角田楓斗は「勢いがある。全国舞台でも結果を残している」と熱視線を送り、近大・
宮原廉、東北福祉大・
猪俣駿太、日体大・
馬場拓海も国際試合を経て、さらなる飛躍が期待される。
内野手は明大・
岡田啓吾の俊足巧打が注目され、外野手は明大・
榊原七斗のスピード&パワーが脚光を浴びそうだ。社会人では王子の
柴崎聖人がトップ評価。ルーキー年の昨年の都市対抗では若獅子賞を受賞。入社2年目も安定感あるプレーを披露しており、あるスカウトは「三拍子がそろい、足が速く、肩も強い」と即戦力外野手としてリストアップ。投手に比べ、野手は小粒の印象は拭えない。