2月1日からキャンプがスタート。昨年、日本一に輝いた阪神は連覇への下地をつくることができるか[写真=牛島寿人]
2月1日から春季キャンプが始まり、いよいよ球春を迎えます。2024年のプロ野球で見どころは多々ありますが、そのうちの一つは阪神が連覇を達成できるかどうか?
岡田彰布監督が復帰した昨年、阪神は2位・
広島に11.5ゲーム差をつける独走で18年ぶりのリーグ優勝。日本シリーズでは
オリックスを4勝3敗で下して38年ぶりの日本一に輝きました。
私は
西武での黄金時代に1985年からの4連覇、90年からの5連覇を経験していますが、“こういう戦い方をやれば勝てる”という自信が一番大きかったように思います。勝利のために選手一人ひとりがしっかりと自分の役割を把握。それを高いレベルでこなすことが連覇につながりました。
もちろん、投手力の強さも原動力になりました。私が西武監督時代の2018、19年にリーグ最低のチーム防御率で連覇しましたが、それは珍しいケースでしょう。やはり、連覇をするには投手陣の安定が求められます。
投手は1点を取られても野手が取り返してくれる、野手は1点でもリードしていれば投手が逆転されずに抑え切ってくれる。そのようなお互い信頼し合ってプレーすることで勝利が近付いてくるものです。
そういう視点で見れば阪神は昨年の戦い方を続ければ連覇の可能性は高まるでしょう。12球団1位のチーム防御率2.66を誇った投手陣は健在です。投手陣を中心に守り勝つ野球ができる。また、攻撃陣では四球がクローズアップされましたが、出塁率を高め、つないでいく攻撃を行えば効率良く得点を重ねられることを野手は肌で感じています。オーソドックスな野球ではありますが、選手が勝ち方を体験した点は何よりも大きいはずです。
阪神は大きな補強を行っていませんが、伸びしろのある選手が多く、まだまだチームとして成長する余地があります。例えば
佐藤輝明選手。1年目に24本塁打を放った衝撃から考えると、昨年の24本塁打は物足りないものがあります。もっともっと本塁打を量産できる能力を備えているはずです。今年も四番・
大山悠輔選手、五番・佐藤輝選手という並びなら、出塁率の高い大山選手がチャンスを拡大して打席を迎える確率は高いです。そこで佐藤輝選手が昨年以上の勝負強さを見せれば、阪神の得点能力はさらに高まります。
森下翔太選手、
木浪聖也選手の成長も大いに期待できます。
投手陣では
大竹耕太郎投手が“2年目のジンクス”をどう乗り越えるか注目でしょう。
ソフトバンク時代の19年に5勝を挙げましたが、その後、勝ち星を伸ばせませんでした。昨年、現役ドラフトで阪神に移籍して12勝をマークしましたが、相手も研究してくるでしょうから、そこをどう乗り越えていくか。ソフトバンク時代は、それがうまくいかなかった印象なので、同じ轍を踏まないように大竹投手もしっかりと調整を進めていくはずです。
球団初の連覇へ挑む24年。ほかのチームは連覇を阻止するために、対阪神、どのような対策をとってレギュラーシーズンを迎えるのか?
阪神は百戦錬磨の岡田監督の下、チームはどのような戦いを繰り広げていくか、今から楽しみです。