いずれイチローには日本でも指導してほしい/写真=Getty Images
なぜイチローには“喝”を出さないのか
私は、これまでメジャーに行った多くの選手に“喝”を出してきた。もちろん、別にメジャーに行ったからではない。
メジャー行きに関しては、人を売買するようなポスティングシステムには反対だし、それで選手を売って大金を得ている球団には、何度でも“喝”を出していくつもりだが、選手には関係がない。メジャー選手が番組で話題になることが多いから目立つだけで、それぞれに理由のあることだし、日本にいる選手にも、もちろん多くの“喝”を出している。
そんな私であるが、「イチローだけには“喝”を出していないではないか」と言われることがある。以前、「日本とメジャーを合算した通算成績には意味がない」という話をしたことがあるし、それは今も変わらない。だいたい1年の試合数も環境も違うのに、比較などできるはずがないだろう。
ただ、確かにイチロー自身に“喝”を出したことはほとんどない。むしろ“あっぱれ”ばかりのはずだ。
私は、2009年、彼がメジャー通算で私の持つ記録、3085安打を抜こうというときに現地に行った。そこで、あいさつ程度はしたが、ヒザを突き合わせて深く野球の話をしたことはない。
誤解している人もいるようだが、私は彼が野球に取り組む姿勢には共感するし、感銘も受けている。どんなときでも常に高い境地を目指し、より高い技術を追い求め続けていた。どれほどの成功を手にしても、決して妥協せず、常に上を見据えていた。たくさんの言葉を交わさずとも、それは彼のプレーを見ていれば分かる。
これは私もそうだが、イチローも決してほかの・・・
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