
王[左]と基本的には同じ形状だが、筆者のバットはグリップが平らな特注品だった
“物干し竿”をはじめバットも特徴的だった
バッターにとって最大の商売道具はもちろんバットだ。私はプロに入ってしばらくしてからは「ジュン石井」のバットを使っていた。しなりのある圧縮バットで、重さは925グラム程度、長さは34インチ。ワンちゃん(
王貞治、元
巨人)もほとんど同じような形のバットを使っていたが、唯一、違っていたのはグリップだ。ワンちゃんはグリップが盛り上がったような形のバットだったが、私は平らにしたものを使っていた。右手が悪かったから、グリップをそうした形にすることでうまく引っ掛かるようにしていたというわけだ。
私は浪商高に転校する前に松本商高、今の瀬戸内高に入学した。決して強いチームではなかったが、1年生で野球部に入部して初めてもらったバットが、
広島などで活躍した
長持栄吉さんが使っていたというバットだった。なぜ長持さんのバットがあったのか、そして私がもらったのか記憶が定かではないが、そのバットはグリップが平らになっていて、右手がうまく引っ掛かって非常にしっくりきた。それ以降は、そうしたバットを特別に作ってもらうようにしていたのだ。
バットについて神経を使っていたのが・・・
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