
牧野茂(右)コーチと川上監督。あうんの呼吸だった
参謀の役割
いよいよ春季キャンプが始まった。今年はコロナ禍ですべて無観客という特別なキャンプインとなったが、これは仕方があるまい。選手たちはチームとしてキャンプができるだけでも感謝しなければならないだろう。各球団は感染対策には万全の注意を払っていると思うが、選手もより自覚を持って行動してもらいたい。
少し前の話になるが、
桑田真澄が
巨人の投手チーフコーチ補佐となった。年が明けてからの入閣は珍しく、
原辰徳監督もよくよく考えての抜てき人事だろう。まずはお手並み拝見というところだが、桑田のようにプロの世界で名を残した選手が指導者になり、後輩にその技術や経験を伝えていくというのは素晴らしいことだ。私はもう高齢だから難しいが、若いOBたちは体が動くうちはどんどん現場に出て、後輩たちの指導に当たってもらいたい。
ただ、私は桑田の「たくさん走って、たくさん投げる時代ではない」というコメントが気になった。言葉が切り取られているだけかも分からないが、よもや桑田ほどの大投手が走り込み、投げ込みの重要性を知らないわけがない。科学的なトレーニングやメジャー式の練習を取り入れるのもよいが、選手には徹底的に基本を叩たたき込み、厳しく指導に当たってもらいたい。指導者によって選手の野球人生というのは大きく変わる。桑田にもその覚悟を持って指導してもらいたい。
さて、今回はプロ野球における参謀の役割について話したいと思う。現場のトップは監督だ。チームの成績は監督の責任である。しかし、監督一人でチームの末端まで見ることなど不可能に近い。何でもすべて自分でやりたがる監督もいるが、まず失敗するし、そもそも監督の器ではない。そこで必要となってくるのが片腕となって動くことができる参謀だ。野球で言えばヘッドコーチがその役割に近いだろう。
私なりの言葉で言えば、参謀は・・・
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