
南海時代の野村克也氏。筆者も認める名選手&名監督だった
捕手として三冠王
現在は春季キャンプの真っただ中だと思うが、各球団とも新型コロナウイルスの影響を受けているようだ。選手やスタッフの感染、あるいは濃厚接触者の疑いがあるとして隔離され、チームとして無事にキャンプを送れているのか心配になる。気をつけるように注意はしていても、こればかりはどこで“もらう”ことになるか分からない。ただ、それでもできるだけの感染対策を続け、自分の身を守っていくしかないだろう。選手たちは外食も禁止だったり、ホテルでは部屋に閉じこもる時間が多くなっているようだが、我慢してキャンプを乗り切ってもらいたい。
さて、ノムさん(野村克也、南海ほか)が逝って、もう2年になる。2月11日はノムさんの命日だった。1935年生まれだから私の5歳先輩になるのだが、現役時代からノムさんと呼ばせてもらっている。私は東映、ノムさんは南海と、同じパ・リーグでしのぎを削った仲だ。今回はノムさんの話をしよう。
真っ先に思い浮かぶのは捕手の顔かもしれないが、それ以上に打撃がすごかった。本塁打王が9回、打点王が7回、首位打者が1回で、その首位打者を獲得した唯一の年(65年)に戦後初の三冠王となった。この年は南海が優勝し、リーグMVPにも輝いている。日本シリーズこそ
巨人に敗れたものの、ノムさんにとっては最高のシーズンだったろう。
私はスライディングで手首を痛めたことが響き、この65年はシーズン打率.292とリーグ6位に終わっている。シーズン終了後だったか、ノムさんに「俺が元気だったら三冠王なんて獲れていませんよ」と軽口をたたいたら、返事は・・・
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