
巨人の四番に座る岡本。打席での凄みをさらにきかせ、実績を積み上げていけるか[写真=小山真司]
エースの条件
ペナントレースが開幕して1カ月が過ぎた。試合数をこなし、選手もチームも落ち着いてきたころだろう。新型コロナウイルスの影響で中止の試合が出たのは残念だが、まだ残りは100試合以上もある。
阪神のように大きく出遅れたチームもあるが、勝負はまだまだ先だ。
矢野燿大監督をはじめ、阪神の選手たちに言っておきたいのは「勝負事は最後まで何が起こるか分からない」ということだ。あとで後悔のないように今を全力で戦うことだ。
さて、ここ数年のペナントレースを見て私が思うのは、本当のエースがいなくなったということだ。今現在で言えば、その座に一番近いのは
山本由伸(
オリックス)になると思う。昨年の18勝5敗、防御率1.39という数字は素晴らしく、沢村賞を含めて先発投手のタイトルを総ナメにした。ただ、まだ1年でしかない。この成績をあと2~3年続けてこそ、エースと呼ぶに相応しい投手だと言えるだろう。
エースは成績はもちろんのこと、チームに信頼される投手でなければならない。大事な試合のマウンドを任され、この投手が投げて負けたら仕方がないと監督にも仲間にも思われるような投手がエースだ。
以前、ノムさん(
野村克也、南海ほか)にこんな話を聞いたことがある。エースと呼ばれる投手がいたが、ピンチを迎えたときにコーチを通じて「交代してほしい」と言ってきたそうだ。故障でも何でもない。その監督は「それでもエースか」と驚いたが、もっと驚いたのは・・・
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