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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「悠久の時を感じつつも変わらないもの――」

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クーパーズタウンにあるアメリカ野球殿堂博物館に飾られているベーブ・ルースのレリーフ[写真=BBM]


 新横浜から下りの新幹線に乗るときは、進行方向に向かって右の窓側に座る。左側に座ると直射日光がきつく、でも車窓の風景を楽しみたいからシェードは絶対に下ろしたくない。さらに右側だと富士山が見えるのと、生まれ育った静岡、名古屋の思い入れのある建物が見えることもあって、右側を選ぶ。しかし、静岡駅と名古屋駅の手前でわざわざ席を立って、左側の車窓を眺める瞬間がある。

 新幹線から静岡草薙球場とナゴヤ球場が見えるのだ。それはいずれも進行方向の左側だ。草薙といえば初めてプロ野球の試合を観た球場で、ナゴヤ球場へは子どものころから何度も足を運んでいて、いまだに串カツの味が忘れられない。プロ野球を観ることへの強い思い入れは、この2つの球場に育んでもらったと言っていい。だから新幹線に乗るたびに、草薙球場とナゴヤ球場を眺めてノスタルジーに浸っているというわけだ。

 車窓から見える球場は実にいいものだと思う。個人的な原点は“光の球場”にあった。かつて東京の下町に実在していた東京スタジアム――サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地だったキャンドルスティック・パークをモデルにしたという2本のポール型の鉄塔に支えられた照明灯は・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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