
4月4日の中日戦[バンテリン]で今季初先発初勝利を飾った巨人・菅野智之の秘める思いが、観る者の心を震わせる[写真=佐藤真一]
円熟味を増す投球 力強く冷静に──
野球を観ていればおもしろいと胸躍る試合には、しょっちゅう出合えるものだ。しかし、観ていて心が震える、という試合にはそうそうお目にかかれるものではない。
4月4日の名古屋──ジャイアンツ、開幕から6試合目のマウンドに菅野智之が上がった。菅野にとってはこれが今シーズンの初登板。ということは
戸郷翔征、
フォスター・グリフィン、
高橋礼、
山崎伊織、
ヨアンデル・メンデスに次ぐ六番手だということになる。
沢村賞2度、MVP2度、球団史上最多となる8度の開幕投手を務めてきた菅野にしてみれば、投げられる体調にありながら六番手だったというのは、理由はどうあれ屈辱だろうと想像していた。昨年、プロ11年目にしてワーストの14試合登板、4勝(8敗)に終わった菅野だが、昨年の6月以降はローテーションを守り、夏場からは不安なく腕を振っていた。菅野も「あんな高出力で投げられたのは久しぶり」と振り返る。
「だから70~80球でバテてきちゃったんです。やっぱり自分はそういうピッチャーじゃないんだなと痛感しました。真っすぐを全力で投げて行けるところまで行くのではなく、いろんなボールを使いながら抜きどころをうまく使って長いイニングを投げていく……僕はそういうピッチャーなんです」
4月4日の名古屋での菅野は・・・
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