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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「飽くなき発想を可能にするビジネススキーム」

 

ニグロリーグへの敬意を表すため、今年の6月20日にリックウッド・フィールドでMLBの公式戦を開催する[写真=Getty Images]


野球好きには堪えられない球場


 アメリカ合衆国南部、アトランタからフリーウェイを西へレンタカーを走らせて、3時間弱。アラバマ州バーミングハムは、かつては製鉄業で栄え、公民権運動の中心となっていた。そんな歴史が薫る中心部から離れると、どの景色を切り取ってもそこがバーミングハムだとは分からない、ありきたりで白っ茶けた街並みになる。

 高い建物はなく、家屋はすべて平屋。ほかに食べたくなるものがなくてやむなく立ち寄ったバーガーショップの駐車場はアスファルトがひび割れていて、店員はニコリともしない。その隣のガソリンスタンドは無人、商店の窓や扉には鉄格子が設置されていることから見ても、かなり治安は悪そうだ。

 そんな殺伐とした街に、野球好きには堪(こた)えられない球場がある。ボストンのグリーンモンスターを思わせる薄緑色の外壁に包まれた世界最古の野球場、リックウッド・フィールドである。今から30年ほど前、アメリカの国立公園局による調査によって、ここがアメリカ国内で使用されている最古の球場と認定された。最初の試合は1910年8月18日。メジャー最古の球場、フェンウェイ・パークの開場よりも2年、早い。

 訪ねた日は・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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