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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「哲学をすべてクリアした青学大の挑戦」

 

6月16日、早大との大学選手権決勝[神宮]に勝利して優勝を飾ると、ナインからウイニングボールを手渡された青学大・安藤監督[写真=矢野寿明]


3つの難しさを乗り越えつかんだ勝利の二文字


 ジャイアンツにV9をもたらした川上哲治さんがこんな言葉を遺していると、ファイターズの栗山英樹チーフ・ベースボール・オフィサーから聞いたことがある。

「勝つことは難しい、勝ち続けることはもっと難しい、いったん負けたあとにもう一度勝つことはさらに難しい」

 それを現実にやってのけた監督がいる。それが青学大を日本選手権の連覇に導いた安藤寧則監督だ。安藤監督は昨春、17年ぶりに東都大学野球リーグの制覇を成し遂げ、18年ぶりの全日本大学選手権での優勝を勝ち取った。「勝つことは難しい」を乗り越えて、まず勝ったのだ。

 そして昨秋のリーグ戦でも戦国東都を制して14年ぶりの春秋連覇を達成。「勝ち続けることは難しい」もクリアする。さらに史上5校目となる“大学4冠”を目指して明治神宮大会を勝ち上がったものの、決勝で慶大に苦杯を喫した。青山学院大の史上5校目となる大学4冠は叶わなかったのだ。

 ずっと勝ち続けた2023年だったのに・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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