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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「あこがれ続けた変わり者の美しきサウスポー」

 

なぜか「ご飯にサイダーをかける変わり者」というレッテルを貼られていた新浦壽夫は、肘を痛めて巨人から韓国プロ野球へ移籍すると、大洋で日本球界復帰を果たした[写真=BBM]


魅力的に映る“変わり者”


 なぜだろう――昭和の時代、『巨人の星』の星飛雄馬、『アストロ球団』の宇野球一、『侍ジャイアンツ』の番場蛮、『男どアホウ甲子園』の藤村甲子園、『光の小次郎』の新田小次郎、『野球狂の詩』の岩田鉄五郎と水原勇気……名作と謳われる野球マンガで主人公を務めたピッチャーはサウスポーが多い。漫画家、今は亡き水島新司さんと、そんな話になったとき、水島さんが興味深い話をしていた。

「いい左ピッチャーって変わり者が多いんだよ。金田(金田正一)、江夏(江夏豊)、鈴木啓示……工藤(工藤公康)もそうだろ。極端なくらいに個性が強くて、だからこそみんな魅力的なんだよな」

 水島さんが言うところの「変わり者」は、もちろん褒め言葉のニュアンスだった。野球漫画の大家が主人公として描こうとしたキャラなのだから「変わり者」たちが魅力的でないはずはない。じつは、私事ながら野球を観ることが好きで好きでたまらなかった少年時代、極端に愛した変わり者のピッチャーがいた。それが当時はジャイアンツの新浦壽夫だ。昭和50年代前半の長嶋巨人を支えた、美しきサウスポーである。

 きっかけは・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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