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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「考え方の違いが表れるピッチャーに対する意識」

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日米で違いのある投手へのあこがれ。マウンドへの興味と意欲は、その後に育つ投手のタイプにも反映されているのかもしれない[写真=Getty Images]


環境、野球観の違い 日米で異なるタイプ


 最近、旧知の一家がアメリカから日本へ転居してきた。野球が好きな小学5年生は、さっそく日本で野球チームに入った。アメリカではシーズンごとに違うスポーツをするのが普通で、野球チームは冬の間は活動しない。だから1年中、野球ができるのが楽しみだと彼はアメリカにいるときからずっと言っていた。そして日本のチームに入って約2カ月、彼が突然、こんな不満をぶつけてきた。

「なぜみんな僕にピッチャーをやらせようとするんだ、ピッチャーなんかやりたくないのに……」

 よくよく話を聞くと、つまり彼は野球がうま過ぎて「ピッチャーをやらなきゃ、もったいないよ」と言われているらしい。いや、それは彼への思いやりではなく、監督、コーチ、チームメートは、投げろ、投げてくれというオーラをバンバン出してくるのだとか……つまりは、彼が投げたほうがチームが勝てるからなのだろう。それほど彼の能力は抜きん出ていた。しかし・・・

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石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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