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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「人の上に立つものが“人を知る”ために──」

 

2013年、第3回WBCの台湾戦[東京ドーム]で、9回二死二塁から起死回生の同点適時打を放った現侍ジャパンの井端弘和監督は、日の丸を背負った経験も監督として生かしている[写真=Getty Images]


変化を察知するから可能になるアプローチ


 日本代表が11月13日に名古屋で初戦を戦う『WBSCプレミア12』は、今回で3回目を迎える。連覇を目指す日本代表の指揮を執るのは井端弘和だ。2019年の第2回プレミア12ではコーチとして優勝に貢献、21年の東京五輪でも金メダルを獲得した日本代表をコーチとして支えた。その後もU-12の監督を経験、さらにはこの夏、コロンビアで行われたワールドカップにU-15の監督として挑み、日本に悲願の初優勝をもたらした。トップチームの監督でありながらU-15の監督を兼務した理由を井端はこう語っていた。

「2年前にU-12の監督としてW杯を戦いましたが、そのときのメンバーがこの夏のU-15のW杯を戦ったんです。小学6年でトップだった彼らが中学3年でどうなっているのかというところがすごく楽しみだったから、という理由もありましたし、いろんな世代のトップを指導して勉強したいという気持ちもありました。小学校からプロまで僕はいろんなカテゴリーで野球をやってきましたが、プレーヤーとして経験のなかった社会人野球にも指導者として(NTT東日本に)関わることができましたし、となったら、もう一度、小、中学生に接してみるのも勉強になるかなと思ったんです」

 実際、小、中学生の監督というのはどんな難しさがあるのかを井端に訊いてみたら、興味深いエピソードを話してくれた。

「あれはU-12の監督として初めての試合だったと思うんですけど、試合中にピッチャーとキャッチャーがベンチ裏で大ゲンカを始めたんです・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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