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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「ファンにもアンチにも特別なミスター・ジャイアンツ」

 

ファンもアンチも“背番号3”に魅せられたからこそ、“ミスター・ジャイアンツ”はスーパースターとなり、多くの人の記憶に刻まれている[写真=BBM]


長島に始まり 長島に終わる


 私事ながら約30年前、漫画家の水島新司さんに披露宴でスピーチをしていただいたとき、水島さんは新郎をこんなふうに紹介した。

「この野郎……いや、この新郎はね(笑)、私のところへ来て、こともあろうに『巨人ファンです』って抜かしやがったんですよ」

 仕事でプロ野球に関わるようになってからしばらくの間は心に秘めていたのだが、じつは子どものころから大の巨人ファンで、夢は報知新聞の巨人番記者になることだった。そのことを今は隠してはいないのだが、当時、水島さんには自分が巨人ファンだと早々に明かしていた。水島漫画で育った身としては、あこがれでしかなかった水島さんに会う機会を得て、どこのファンだと訊かれれば素直に答えるしかない。となれば、その後は事あるごとに「お前はどうせ巨人ファンだ」とつつかれて、だから披露宴でも愛あるスピーチでイジってくれたのだと思っている。

 水島新司さんといえば阪神ファンで、パ・リーグ党。だから同時にアンチ巨人、という図式となる。最近のニッポンからはアンチ巨人が激減し、それを“アンチ巨人絶滅論”と銘打って野球人気の危機はそこに根っこがあると、ここでさんざん展開してきたのだが、そもそもの持論は『スターは追い風だけでも生まれるが、スーパースターは追い風と逆風が同時に吹かなければ生まれない』と思っているところにある。つまりアンチ巨人の存在は、巨人に人気があったことのバロメーターだったのだ。

 ただ、思えば不思議なこともある・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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