
6月を終えて5本の三塁打を放っている日本ハム・五十幡亮汰。俊足が武器の26歳だが、決して足だけで記録できるものではない[写真=高原由佳]
泥だらけの“ヘッスラ” 悠然としたスタンディング
長嶋茂雄が自著『野球は人生そのものだ』の中で「プロとしての売り物は三塁打」だと綴っている。「つねに全力疾走でようやく達成できるもの」(長島)という三塁打を現役時代の長島は歴代8位となる74本、記録していた。これはV9時代のトップバッターで通算579盗塁の
柴田勲や、通算3000安打と300盗塁をクリアしている
張本勲をも上回る数字だ(現役トップは
秋山翔吾の66本)。
長島の三塁打は20代の8シーズンで57本、30代になると9シーズンで17本――この数字は若いころにはスピードを生かしたダイナミックな三塁打を打っていたのだろうとワクワクさせてくれる。もちろんナマで観た記憶はないのだが、『ON記録の世界』(宇佐美徹也編著)によると、長島が打った現役最後の三塁打は引退した1974年の6月20日、
中日球場のドラゴンズ戦。左腕の
松本幸行からレフトへ打った打球で三塁まで全力疾走したようで、これが3年ぶりの三塁打だった。残っていないのは承知の上だが、やっぱりこれは映像で見たかった。
三塁打と聞いて真っ先に思い出すのは、
イチローが2016年に打った“スタンディング・トリプル”(滑り込む必要のない三塁打)だ。メジャー通算3000安打をイチローはデンバーで成し遂げている。あわやホームランかという打球はライトのフェンスを直撃して、芝の上を転々。イチローは滑り込むことなく三塁へ到達した。このときの一打はイチローにとってもっとも絵になる“スタンディング・トリプル”だったのである。
対照的に・・・
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