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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「自分のためだけの――“ものの価値”の大切さ」

 

大谷翔平の打ったボールを手にしたファンにとって、ホームランでもファウルでもその価値に違いはないはずだ[写真=Getty Images]


『古畑任三郎』の犯人心理とシェフの心遣いに見えたもの


 三谷幸喜さんが脚本を手掛け、田村正和さんが主役を演じたドラマ『古畑任三郎』の中に特に好きな話がある。澤村藤十郎さんが犯人役を演じた『動機の鑑定』だ。

 金儲けに目のくらんだ骨董商(澤村)が、美術館の館長(角野卓造)と結託して400年前の壺を目玉に展覧会を開こうとする。しかし現代最高の陶芸家(夢路いとし)が一般公開を前に突然、「あの壺は贋作(がんさく)です」と言い出す。

 その根拠を陶芸家は「あなたを潰すために僕がホンモノそっくりに仕上げたものだ」と説明した。しかも陶芸家はホンモノの壺を密かに入手していたのだ。その壺を見せて骨董商に協会の理事を辞めるように迫った陶芸家を、しかし骨董商は銃で撃ち殺す。しかも共犯関係を疑われて自首を考え始めた美術館長のことも骨董商は殺害した。こともあろうに400年前の壺で頭部を殴打したのである。

 古畑は骨董商が犯人だと睨んでいた。だから凶器に使われた壺は贋作だろうと考える。しかし骨董商は「あの壺は私が鑑定したのだからホンモノに決まっている」と譲らず、貴重な壺を凶器に使うなんて犯人は目利きの効かない人物だと言い張る。あの壺はホンモノなのか、それとも贋作なのか。分析の結果、凶器の壺は400年前に作られたホンモノだった。骨董商は勝ち誇り、古畑は混乱する。

 最終的に古畑は・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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