週刊ベースボールONLINE

石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「WBCに選手として参加している唯一の監督」

 

2013年の第3回WBC第1ラウンドのブラジル戦で、1点を追う8回表、一死二塁の好機で代打に送られた井端は「逆方向に強い打球を」と心掛け、右前へ起死回生の同点打。チームの危機を救い、その後の逆転劇へとつなげた[写真=BBM]


夢を見ているような初めて経験する世界


 王貞治原辰徳山本浩二小久保裕紀栗山英樹、そして井端弘和――過去のWBCを遡ると、日本代表の監督を務めた野球人の中で選手としての出場経験があるのは井端だけだ。WBC3連覇を目指した2013年、37歳だったドラゴンズの井端は山本監督のもとで背番号3をつけて戦った。

 福岡で行われた第1ラウンドのブラジル戦では8回、代打に出て同点タイムリーを放つ。東京ドームに舞台を移した第2ラウンドの台湾戦では、またも1点ビハインドの9回、しかもツーアウトからセンターへ起死回生の同点打を放った。持ち味の守りよりも打つほうで目立って東京ラウンドのMVPを獲得した井端は、大会ベストナインにDHで選ばれている。

 WBCにおける日本代表の20打席以上の打率ランキングでは、2013年に18打数10安打を記録した井端が.556で今もなおトップに立つ。2012年までにドラゴンズで1730本ものヒットを打っていた名古屋のローカルスターは、台湾戦でのヒットで一躍、全国区のスターとなった。

「WBCでは持っているものをすべて出せたと思います。特に台湾戦での最終回は、自分でもビックリするほど冷静に打席に立てていました。打席での1球1球がものすごく長く感じられたんです。ボールも縫い目が見えるほどゆっくり、自分のスイングもゆっくり・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング