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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「覚悟を持って挑む9年目 ピッチャーへの想い」

 

両リーグトップの防御率をマークする今季は、ピッチャー・大谷が、バッター・大谷を先行している[写真=Getty Images]


強い思い入れと不器用さの矛盾


 メジャーで4度のMVPを獲得した大谷翔平。それだけの評価を受けたのは“50-50”をはじめとするバッターとしての数字が突出していたからだ。ピッチャーとして見れば、昨年までの大谷はメジャーで突出した数字を残したわけではない。メジャー8年のキャリアのうち、トミー・ジョン手術のリハビリのために丸2年のブランクがあり、残りの6シーズンで2ケタ勝利を挙げたのは2シーズン。規定投球回数をクリアしたのは15勝を挙げた2022年だけだ。大谷はこう言っていた。

「2度の手術をしたこともあってピッチャーがちょっと遅れちゃったなという感覚はあります。理想の理想からすれば、バッターとピッチャーが同じペースでてっぺんへ向かっていく感じでした。でもバッターが先行したのは、バッターとして活躍していく上での大事な指針というか、太くて強い枝がしっかり出来上がっていると思っているからです。僕は小っちゃいころからバッティングについてはしっかりとした指導をしてもらってきて、そのおかげで自分で正解を手繰り寄せる感覚が備わっています。でもピッチャーのほうはほとんど教えてもらったことがなくて独学でやってきたので、その分、思い入れは強いんですが、不器用なところが抜けません。その矛盾が僕のピッチャーへの想いにつながっているのかなと思います」

 大谷はこの7月、32歳になる。彼自身が「技術と肉体がマッチして最高のパフォーマンスを発揮できる30歳から35歳が選手としてのピーク」だと話していた、今がその真っ只中なのだ。ピッチャーとして昨年をリハビリの年だと位置づけ、ポストシーズン前、シーズン最後の登板でそれを終わらせた。ただ、それは肘の強度という意味合いのリハビリが終わったということであって・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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