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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「“ファウル打ちの名人”を貫いた真意とは」

 

代走や守備要員だと思われていた中島をショートのレギュラーに抜擢した栗山監督は、引退セレモニーで最後の勇姿を見届けた[写真=高原由佳]


打撃に自信のない24歳に指揮官が与えたチャンス


 今から12年前、ファイターズの背番号56がやたらでっかく見えた……いや、じつはこれ、物理的な話だ。高卒プロ5年目の彼の身体があまりに小さくて、5と6が並んだ2ケタの数字がやけに大きく見えたというわけだ。

 だから、9になってもなお背番号の数字が大きく見えた華奢で線が細い中島卓也を当時の栗山英樹監督が見出し、ショートのレギュラーとして育てようとしていると聞いたときには正直、驚いた。糸井嘉男とのトレードで獲得した大引啓次がショートにいたからだ。しかし栗山はこう話していた。

「普通に考えれば、リーダーとしても選手としても安定感のある20代後半の大引はチームにとって得難い宝物だよ。でも僕だけはみんなが思っていることを思っていない。僕はいずれタク(中島)をショートに据えたいんだ。大引の存在はタクが成長するための大きな要因になるはずだからね」

 栗山が「タク」と呼んでいた22歳の中島は代走や守備要員だと思われていたが、栗山だけはショートのレギュラーをイメージしていた。そして2015年、大引が抜けたショートに24歳になった中島を・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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