抑えとしてリーグ連覇の立役者となったマクガフがMLB移籍。今季よりヤクルトの9回を任されるのが、移籍3年目の左腕だ。新たなポジションで過ごす日々を振り返りながら、戻ってきたプロ野球の日常にも思いを寄せてくれた 取材・構成=小林篤 写真=桜井ひとし、BBM 昨日の自分を超える
4月1日、開幕2戦目の広島戦(神宮)、1点リードの9回のマウンドに上がった田口麗斗は三者凡退に抑え、今季初登板で初セーブ。試合後、高津臣吾監督は「一番良い収まりなんじゃないかという判断」と田口の抑え起用を明言した。その後も好投は続き、交流戦突入前に11セーブを記録。チームは苦しい戦いが続く中で役割を見事に果たしている。 ――抑えとして開幕を迎えて約2カ月がたちました。ここまでの投球を振り返っていかがでしょうか。
田口 充実はしています。すごく刺激のある場面での登板ですし、プロ野球が、野球そのものが、簡単なものじゃないと感じながらマウンドに上がっているのが、ここまでを終えての一番の感情ですね。
――抑えには「守護神」や「クローザー」という呼び名がありますが、ご自身ではどれがしっくりきていますか。
田口 う~ん、「クローザー」が良いんじゃないですかね。でも、僕の中では「クローザー」や「守護神」、「抑え」というよりも、まだ「9回を投げている人」という感覚でしかないんですよね。1年が終わって、成績として証明ができたときにそう呼んでもらえればいいのかなと。
――これまで先発も経験されてきましたが、リリーフとして投げるのは疲労面などで違いは出てくるものですか。
田口 どのポジションも変わらず疲労はありますし、先発だから楽だとか、中継ぎのほうが大変だという感情は正直ないですね。どれもきつさがありますから。先発では次の登板に向けてどれだけいいものをつくれるかという試行錯誤の中での大変さがある。中継ぎだといつ投げるか分からない中で、毎日ベストな状態をつくらないといけない大変さがある。どちらの大変さも分かるので。どっちがというのはないですね。
――では、先発の経験が今に生きていると感じることはありますか。
田口 先発時代はリズムを考えながらストライク先行でゲームメイクをしていましたが、リリーフになってもストライクゾーンで勝負しなきゃいけない場面はもちろんある。そのときに先発をやってきてよかったなって。ピッチャーとして一番大事であるストライクゾーンに投げ込むというスキルが先発時代に磨かれていったので。
――抑えは一球の失投が負けに直結するポジションです。打者にとっては打つべき球であるストライクゾーンに投げる怖さはないのでしょうか。
田口 今年はスキルの面も気持ちの面でも、この上なく準備をして・・・
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