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今に燃える球人魂

楽天・小郷裕哉インタビュー 唯一無二の存在へ「一番は替えが利かない選手。プレーだけではなく、存在というか人間的にも」

 

レギュラーをつかんだ2024年。立場は奪う側から守る側へ。これまでとは違った危機感を抱いてグラウンドに立っている。プレーボールからゲームセットの瞬間まで試合に出続けるために――。好不調の波にもあらがい、疲労とも戦いながら今日も白球を追う。生存競争が激しい世界。ポジションを簡単に明け渡すつもりはない。
取材・構成=阿部ちはる 写真=桜井ひとし、BBM

夏場に調子を落としたが、9月前半は10試合で13安打、打率.371と復調。逆転CS進出へ好調を維持したい[写真=桜井ひとし]


未知の領域でもがく日々


 昨季は自己最多の120試合に出場。飛躍のきっかけをつかんだ小郷裕哉は今季、12球団で唯一の全試合フルイニング出場を続けている(9月15日時点、以下同)。リードオフマンとして試合開始早々からチャンスメークするなど打線には欠かせない選手となった。

――シーズンも終盤となり完走も見えてきました。全試合出場を続ける中で得られた課題や収穫はありますか。

小郷 春季キャンプ中に右足を痛めてしまったところからのスタートだったので、それを思えばここまでよくできているなと思います。後半戦はあまり結果が出ていなかったのですが、そこもプラスに捉えていこうかなと思っているところです。今年初めて規定打席に到達しましたし、まだ1年間を戦い切ったことがないので、その中で結果が出るに越したことはないですが、出なくても来年以降につなげられるように、この状況を覚えておくことが大事かなと。

――月間打率は7月が.302も、8月は.187と苦しみました。

小郷 甘い球を打った打球がファウルになったり、自分の思っているような打球が飛んでいない、なぜかヒットにならないなという感覚は結構ありました。

――疲労が影響しているのでしょうか。

小郷 やはりずっと試合に出ていたら疲労もたまってくるんですけど、でもそこで打てなくなったら、1年間は戦えないということ。1年間戦える人は、疲労がたまったときの打ち方など、その中でどうやっていくかを工夫して結果を残しています。だんだんと(疲労が)抜けてきて、しっかり自分の打ち方ができるという話も聞いたので、僕も調子が悪いときでも安定して結果を残せるようになることが来年以降に向けて大事ですし、今はそこを課題として取り組んでいます。

――レギュラー死守への試練ですね。

小郷 そうですね。前半戦にも状態が悪いときはあったのですが、そのときは自分の中で解決できていたんです。ですが8月に入ってからは未知の領域だったので、修正方法などいろいろと試行錯誤しています。もちろん最初からできたらいいですけど、最初からできる人は少ないと思うので、そこはいい意味で割り切って、今はチームの勝利に少しでも貢献できるように、切り替えてやっていこうと思っています。

――全試合、さらにフルイニング出場を続けることは一流のプロ野球選手としての証しでもあると思いますが、ご自身ではどのように感じていますか。

小郷 いろいろな考え方があるとは思いますが、僕の中では・・・

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