打撃良し、守備良し、走塁良し。今や替えの効かない斬り込み隊長として存在感を発揮している。新人年からそのポテンシャルは高く評価され、2年目にはレギュラーの座も手中に収めかけた。しかし、好事魔多し。試合中のケガによって無念の離脱を味わった。満を持しての3年目。当落線上で必死にもがきながら、対応力で手にした「次」が、花開く大きな要因となっていった。 取材・構成=武石来人 写真=高塩隆、BBM 
「次」があるからこそ思考し、自らの役割に徹することができている
定着して得た新たな思考
描いていたスタートダッシュは切れなかった。それでも腐らず、くじけず、前向きに、試行錯誤を続け再び出番を勝ち取った。結果を残すことで得た新たな思考が、新星の輝きを一層増すことにつながっている。 ―― 一軍でチームに貢献している現状をどう感じていますか。
梶原 今年はいろんな壁に当たることがありましたけど、1年目、2年目と取り組んできた部分を含め、しっかり段階を踏んでステップアップできているなと感じているところです。
――壁として最も厚かったのはどんな部分なのでしょう。
梶原 去年の終盤にケガ(2023年8月22日対
広島=横浜での守備時に右足関節靭帯損傷)で離脱をしてしまったのですが、その分、今年はやるぞと考えていた中で開幕戦をはじめ、シーズン序盤になかなか自分のパフォーマンスを出せなかったところですね。
――そこからどんな思考で今につなげたのでしょうか。
梶原 自分で乗り越えなければいけない。しっかりここを乗り越えてこそ、一軍でしっかり活躍したり、自分のパフォーマンスを出すことができると考えていました。だからこそ、結果にあまり揺さぶられずに課題感を持って取り組めたことが終盤の成績にもつながっていると感じています。
――今はいい意味で余分な体の力が抜けて打席に立っているように感じます。
梶原 やっぱり出始めのころはどうしても目先の結果にとらわれがちでした。試合にも今日結果を出さないと、という気持ちで臨むことが多くて……。なかなか自分の普段どおりの自然体でいることは難しかったんです。
――どんな心境の変化で自然体になれたのでしょう。
梶原 終盤はある程度数字が乗って、結果も出るようになりました。そのおかげで、ゲームの流れの中で自分の状態を踏まえて役割や立場を考えることができるようになってきたのが大きいです。それが今のリ
ラックスした状態で・・・
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