週刊ベースボールONLINE

THE HEROES 熱球インタビュー

中日・上林誠知インタビュー 発展途上の29歳「全然、まだまだ、これからです。伸びしろしかないと思っているので」

  1

旬な選手を取り上げるシリーズ連載の第2回は、今季から左前腕部にピンクのリストバンドを着用し始め、攻守走すべてに存在感を発揮している竜の背番号51だ。昨年ソフトバンクから移籍してきたプロ11年目の29歳。チームの浮上には欠かせない打のキーマンでもある。
取材・構成=牧野正 写真=松村真行、BBM

上林誠知[中日/外野手]


つかんだ手応えと取り戻した自信


 井上ドラゴンズに本拠地初勝利をもたらしたのは、上林誠知の咄嗟の判断だった。4月1日の巨人戦。1対1の同点で迎えた7回裏、無死二塁から村松開人が犠打を試みたが、打球が強く、投手は三塁へ送球。タイミングとしては完全にアウトだったが、ヘッドスライディングを試みた二走・上林は三塁手のタッチをかいくぐるようにして右手を引っ込め、左手でベースタッチ。セーフの判定に巨人はリクエストを要求したが覆ることなく、これが決勝点へつながった。

――まずはあの“神走塁”の話から聞かせてください。誰が見てもアウトのタイミングでした。

上林 短い時間の中での判断でした。バントした瞬間は(打球が)強いなと。サードに投げて来ると思ったので、足から行けば絶対にアウトですけど頭から行けば何かを起こせるなと。グラブがベース前に置いてあるのが見えて、その直線上に(自分の)右手があったので咄嗟に引っ込めて左手でタッチに行った感じです。

――フェイントですか?(笑)。

上林 いや、フェイントじゃないですよ、技術です。でもタッチされていなかったのでセーフだという確信はありました。審判がよく見ていてくれました。

――ピンクのリストバンドもサマになってきましたね。

上林 どうなんですかね。最初は少し自分でも違和感があったんですけど、徐々に慣れてきたというか。

――あらためて着用するようになったきっかけを教えてください。

上林 監督から「目立て」「アピールしろ」という指令が出ていましたから。自分のプレーはすぐには変えられませんけど、外側からならすぐに変えられる。最初は明るい色を考えていて、その色で迷っていたんですが、監督が現役時代にピンクを使っていたということで、じゃあそれがいいかなと(笑)。

――監督から何か言われましたか。

上林 最初はもっと違うピンク色だったんですよ。すると監督から「ちょっとくすんでいるな」と言われたので、ミズノの担当の方にもっと鮮やかなピンクでとお願いして、この色になりました。

――開幕スタメンはなりませんでしたが、ずっと好調をキープしているように見えます。手応えもあるのでは?

上林 確かに感覚としては、ずっといい感じで来ていると思います。長いシーズンで打てない日もあるとは思うんですけど・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

この記事はいかがでしたか?

今に燃える球人魂

今に燃える球人魂

勝負の世界で全身全霊を尽くし、魂をかけて今を生きる男たちの声を聞く。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング