前半戦を1位タイで終えた阪神。連覇に向けて上々の流れだ。4月に不動のリードオフマンが骨折で離脱。その穴を埋めたのが藤川球児監督から信頼を得ている若武者だ。高卒6年目の23歳。ユーティリティーとして内外野をこなし、打撃でもチームに欠かせない存在になっている。 取材・構成=椎屋博幸 写真=宮原和也、佐藤真一 ※成績・情報は7月30日時点 冷静な目で打席へと
1対1で迎えた延長11回裏二死二塁。2球目の高めのカーブを一閃すると、打球はライナーで前進していた中堅手の頭の上を越えていった。バットを迷いなく思い切り振るその姿に、虎ファンは大きな成長を見ている。スーパーサブ的な扱いでも、存在感を増して今や猛虎にとって欠かせないプレーヤーになっている。 ――7月21日の
DeNA戦(甲子園)延長11回裏二死二塁でのサヨナラヒット(二塁打)は同じ球種(カーブ)が続けて来ました。狙っていたのでしょうか。
高寺 いや、まったく狙っていませんでした。1球目のカーブが高かったのですが、2球目も同じカーブが来て、打てそうだったので……あまり緊張せずに、この打席で決めてやろうという気持ちが強かったです。
――例えば、経験の少なかった昨年、同じような場面で打席に立っていたら……。
高寺 去年はただただ緊張していたと思います。今シーズンに入って少しずつその緊張も和らいでいる感じです。今では、毎打席、強く打っていこう、という気持ちのほうが大きくなっています。
――昨年は開幕から一軍に入り、67試合に出場しました。2023年から2年間一軍昇格がない中で、起用されて結果を残したと思います。
高寺 去年、一軍で起用され始めたときは「緊張」しかなくて、ひたすら必死に、周りを見られずにプレーしていたと思います。今年も試合に多く出場させてもらい、徐々に冷静に周りを見ることができるようになってきたかなと思います。
――昨年の成績を振り返って今年に懸ける思いというのはあると思います。自分の中でどういうテーマを持って26年シーズンを過ごしていますか。
高寺 去年はシーズンを通して、ほぼ一年間一軍で過ごせました。この一年間で感じたことがあったので、それを生かしていきたいなと。技術と心、どちらも課題があったと思いました。
――技術面での課題を、教えてもらえる範囲で聞いてもいいですか。
高寺 去年は追い込まれるとすぐにアウトになる打席が多かったと思うんです。そうなったときに・・・
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