6月以降状態を上げ、規定未到達ながらチームトップの打点と本塁打で楽天打線の中軸を担う。身長203cmの新助っ人は、いかにして日本の野球にアジャストしたのか。チームは苦しい状況にあるが、豪快な一発でスタンドを沸かせ続ける背番号34。その活躍と打棒からは今後も目が離せなくなりそうだ。 取材・構成=阿部ちはる 通訳=松井葵 写真=早浪章弘、川口洋邦、湯浅芳昭、BBM ※成績・情報は8月27日時点 試行錯誤の末の原点回帰
新助っ人の活躍について、山下勝巳打撃コーチは「彼がいなかったらと思うとぞっとするよね」と話したほどだ。シーズン序盤は日本の投手への対応に苦しみ二軍落ちも経験したが、6月に入り状態を上げると、同17日以降は四番に定着。開幕から6月まで6本だった本塁打は7月に7本を打ち、8月27日時点でチームトップの20本塁打、56打点をマークしている。今季から楽天に加入したマッカスカーはなぜ日本の野球に順応できたのか。話を聞いていくと、ブレない思考と謙虚な姿勢が見えてきた。 ――8月12日の
オリックス戦(楽天モバイル)では1点を追う6回に逆転の満塁弾、15日の
ソフトバンク戦(みずほPayPay)では同点の4回に勝ち越しの2ランなど、勝負を決める一発が光っています。ランナーがいる状況やチャンスの場面ではどのようなことを考えて打席に向かっているのでしょうか。
マッカスカー シチュエーションどうこうで気持ちを変えることはあまりなくて、いつも同じ気持ちで打席に入るようにしています。もちろん、チャンスを拡大してチームに貢献できたらという思いは持っているけどね。あと、基本的には外野に飛ばそうと考えていて、外野手の守備の間に落ちるヒットが打てるように意識しています。外野に飛ばせばそれだけ得点の機会は増えますから。
――シーズン序盤に苦しんだ要因の一つに「日本の投手はタイミングをずらすのがうまい」と話していました。二軍にいる間には、ノーステップを試すなど間(ま)の取り方を調整していたそうですね。
マッカスカー 春季キャンプも含め日本に来た当初はすり足にしてみるなどいろいろ試しながらやっていた時もあったのですが、やっぱりタイミングがうまくつかめなかった。そこでアメリカで状態が良かった時のフォームに一度戻そうと考えて取り組んだところ、徐々に良くなっていったんです。
――日本のストライクゾーンにも苦労した印象があります。
マッカスカー 日本とアメリカでは明確な違いがあると感じていて、(日本の野球に)アジャストするという言葉の中に、ストライクゾーンへの対応も大きな要素として含まれていると考えています。違いとしてはアメリカのゾーンはきっちり狭めな感じがするけど、日本は少し広く感じる。やはり日本の選手はコンタクトするのに長けている打者が多いので、そういうことが広く感じる要因になっているのかもしれないですね。
――長身のマッカスカー選手にとって、特に低いゾーンの見極めは難しかったと思います。山下打撃コーチは低めのボール球を見極めることができるようになったことが結果にもつながっていると話していましたが、ご自身ではどう感じていますか。
マッカスカー もちろん、相手投手や状況によっても変わってくるけれど、低いゾーンや外に逃げていくようなボールを追いかけ始めると調子が悪くなってしまうので、そこを振らずに我慢できているのはいいことだと思っています。
――低めを捨てるという考え方もある?
マッカスカー すべてではないけれど・・・
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