歴代の名選手たちを連続写真とともに紹介する企画。今回は阪神ほかで活躍した通算320勝右腕、小山正明の登場だ。その制球力から「精密機械」「針の穴を通すコントロール」と言われた。 後ろが大きなフォーム
もちろん、あくまで例えだが「針の穴をも通すコントロール」と言われた制球力抜群の右腕。これは1950年代後半の阪神時代のものだ。通算320勝のレジェンドで20勝以上が7回、防御率2.50以下(規定投球回)が11回あるが、最多勝、最優秀防御率のタイトルは64年、東京時代の最多勝1回しかない。
小山のスト
ロングポイントは、徹底した走り込みで鍛え上げた下半身の強靭さと柔らかさだ。それゆえにフォームの再現力に優れ、100球以上投げても、踏み出す足の着地の場所が、すべて同じだったという。だからこその制球力であろう。
この連続写真は、まだ20代半ばのものだ。ロッキングモーションで振りかぶり、とにかく後ろが大きい。今は頭の近くにできるだけ早くボールを置いて、離さないように投げるのが、肩肘に負担を掛けないと言われているが、そのセオリーとはまったく違うようにも見える。
ただ、小山は故障と縁のない長寿投手でもあった。このフォームを見ても、リリースまでの腕の振りにほとんど力感がない。要は下半身の動きが先行し、途中からは背筋を使っていき、腕はついていくだけで、リリースのみ力強くという感覚だったのだろう。
PROFILE こやま・まさあき●1934年7月28日生まれ。兵庫県出身。右投右打。身長183cm、体重73kg。1953年阪神にテスト生として入団。同年途中から一軍に定着し、阪神のエース格に。64年東京(
ロッテ)に移籍し、同年30勝で最多勝に。73年大洋に移籍し、同年限りで現役引退。通算成績856試合登板、320勝232敗、防御率2.45。