高卒2年目の昨季は遊撃で57試合にスタメン出場。立浪ドラゴンズ1年目の戦いの中で大きな爪痕を残した。しかし、遊撃のレギュラーに定着できるかどうかは今季が勝負。まだ20歳と若く、課題も多いが、その分、伸びしろもある。強いこだわりを持つそのポジションは、誰にも譲れない。 取材・構成=牧野正 写真=榎本郁也 濃密だった自主トレ
滋賀の名門・近江高からドラフト3位で入団したのは2021年のことだ。ルーキーイヤーは二軍で試合に出場しながら、体づくりに力を入れた。9月に一軍昇格を果たしたものの、それは経験を積ませるための措置だったろう。遊撃のポジションをつかむには、まだまだ時間がかかりそうに見えた。しかし2年目の昨季、チャンスが訪れた。京田陽太(現DeNA)の不振、根尾昂の投手転向、また立浪和義監督の積極的な若手起用もあって後半戦から遊撃に定着。そこで躍動し、存在感をアピールした。3年目の今季が大事なシーズンになることは、本人が一番よく分かっている。 ──春季キャンプが始まって2週間が過ぎましたが、気合が入っていますね。ここまで順調ですか。
龍空 いや、ちょっと順調とは言えないですね。良い面もありますけど、悪い面もあって、それこそすべて出てしまっているのかなと感じています。
──良い面と悪い面というのは?
龍空 少しずつ打撃の感触、手応えをつかめてきているのは良い点かなと。悪い面で言うと、やっぱりまだ守備面で納得できていない部分が多いですね。もう少し何とかしないと……。
──毎日かなり追い込んで取り組んでいるので、体もきついのでは?
龍空 結構、きてますね(笑)。ただ、キャンプというのは、そういうものだと思っているので、大丈夫です。
──2月11日のサムスンとの練習試合(赤間)では右脇腹付近に死球を受けました。一瞬、ヒヤッとしましたが。
龍空 全然、大丈夫です。まったく問題ありません!
──こんなところで休んでいられないとばかりの険しい表情で、一塁に向かおうとした姿が印象的でした。
龍空 まったく、そのとおりです。まさにそんな気持ちでした。今、自分は本当に大事な時期なんで、ぶつけられたくらいで休んでなんていられないので。
──春季キャンプの一番のテーマは具体的にどの部分ですか。
龍空 守備の確実性です。まだまだ雑なプレーが多いので、そのあたりをしっかりと見直して取り組んでいます。投手だけでなく、誰からも「土田のところに飛べば安心だな」と思ってもらえるようなプレーを身に付けたいです。
──
荒木雅博(内野守備走塁)コーチからは、どんなことを言われていますか。
龍空 それは……いろいろと細かいことばかり言われているので、言葉にして分かりやすく説明するというのはちょっと難しいんですけど、とにかく・・・
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