
イラスト=イワヰマサタカ
今からちょうど60年前の1963年、昭和38年の元旦に、国産初の長編テレビアニメ、手塚治虫原作の「鉄腕アトム」の第1回目がフジテレビで放映された。これがその後、世界中を席巻することになる日本製テレビアニメの第1号だ。
翌年に東京オリンピックを控え、このころの日本は大きく変貌をとげつつあった。高速道路や新幹線、新たな地下鉄路線の開通、都電をはじめとした路面電車の廃止、都心の駅前に広がっていた戦後闇市の名残りだったバラックの撤去と駅前の再開発などなど、街では未来への槌音(つちおと)が響いていた。科学の進歩と未来に対して何の疑いも抱いていなかったこの時代、科学が発達した未来が舞台の『鉄腕アトム』は子どもたちから熱烈な支持を受け、視聴率は常に30%台をキープ、ときには40%を超えることもあった。
やがてアトムは球界にも進出する。2年後の65年・・・
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