
イラスト=イワヰマサタカ
野球は右打者が多いので、遊撃へ飛ぶ打球が多い。遊撃手の守備位置は深く広い。一塁への送球には強い肩も必要だし、連係では複雑で敏捷な動きも要求される。遊撃手は間違いなく重要なポジションだ。
しかし野球黎明期の歴史を紐解くと、9つの守備位置のうち、最後に設定されたのが遊撃手だった。
そのポジションでプレーした最初の選手と言われているのが、ニューヨーク・ニッカボッカーズのドク・アダムスだ。19世紀の1849年から50年にかけて、遊撃手としてプレーして必要なポジションであることを知らしめた。この時期の野球は参加人数に規定がなく、だいたい7人から11人くらいでプレーしていた。内野手はベースのある一塁、二塁、三塁の3人だけで、あとは外野に配された。アダムスは外野からの返球を受ける中継役として遊撃手のポジションを考えつく。当時のボールは非常に軽かったため遠投が難しく、外野に打球が飛んだときの守備に、中継は良いアイデアだった。やがてボールはそれなりの重さとなり・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン