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綱島理友のサブカルノート

ベースボール百科「志賀直哉の小説に出てくる大洋ホエールズ球団代表」

 

イラスト=イワヰマサタカ


 横浜DeNAベイスターズが、前身の大洋ホエールズの本拠地・神奈川県移転から70年目を記念して、夏休みのホームゲームで企画デザインの「Kanagawa ユニフォーム」を着用した。移転時を中心に歴代のユニフォームのモチーフを集めて、オマージュを込めてデザインしたようだ。そんな歴史的モチーフの中で最も印象的だったのは、右袖についていたAを中心にしてK、N、G、Wの4つのアルファベットが囲む「KANAGAWA」を表す袖章だったのではないかと思う。

 このマークは本拠地を神奈川県に移転した当時のユニフォームの袖に装着されていた。私が初めて目にしたのは、野球関係の古雑誌の収集を始めた高校生のころ。最初は何のマークか分からなかった。「KANAGAWA」を表していると認識するまで少し時間が必要だった。これは神奈川の母音がすべてAであることに気付いた、当時の木下検二代表の洒落(しゃれ)たセンスが生み出した袖章だった。

 セ・パ2リーグ分立の1950年にスタートした大洋ホエールズだが、初代球団代表は元外交官の井口貞夫。太平洋戦争開戦時にワシントンの日本大使館で参事官を務めていたが、戦後、公職追放となり、当時の中部兼市オーナーに球団代表を任された。しかし追放が解除されると・・・

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プロ野球意匠学研究家・綱島理友氏によるユニフォーム解説をチェック。

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