
MLBとNPBでは収益構造があまりにも違う。「先立つもの」がなければ球界を良くするための改革もままならない[写真=Getty Images]
収益源として冠大会の構築 12球団が潤う財源の確保を
巨人不在の日本シリーズを横目に、俺はこれからの日本プロ野球のあり方について思案を巡らせていた。アメリカで野球のルールや規則が変わると「国際基準に合わせなくてはならない」とかなんとか言って、日本でも数年後に同じように取り入れて模倣してきたわけだよ。
DH制の導入やストライクゾーンを低くするときにも、日本では変えなきゃいけない大した理由もないのに、アメリカに合わせて追随してきたという過去の歴史があるんだからさ。
例えば
前回も書いたように、メジャーで2014年から施行されたチャレンジの制度(日本ではリクエスト)にしても、「やります」と言ってから、すぐに各球場とニューヨークの本部をオンラインでつなぐ体制が出来上がったからね。ところが日本は体制が不十分なまま始めてしまった。やはり、メジャーは捻出される資金の総額が日本と比べたら、ケタ違いに大きいということだよ。
アメリカと日本の最も大きな違いは、MLBはNPBと比べたら、金儲けと金の使い方がうまいということだね。
日本でも、18年にリクエストの制度が採用されたけど、今でも中身はほとんど変わっていない。いまだにテレビ局の放映機材が、各球場で使われているじゃないか。それを見て現場の審判員が、再審請求の判定を下しているんだからね。MLBのように各球場をオンラインでつないで、NPBの担当者が判定する体制はまだ出来上がっていない。
やるからには中身と精度をメジャー並みのレベルに近づけなきゃいけないと思うんだけどね。そのためにはどうやって、資金を捻出すればよいかということを考えなくてはいけない。例えば現行2試合のオールスターゲームを資金集めのためにもう1試合増やしてみるとかね。公式戦の試合数を増やし、いくつかでサッカーみたいなNPB主催のカップ戦を開催して、収益を設備充当の資金に充てるとかさ。サッカー界は「天皇杯」があるから、野球界にも同じような冠大会があっても、おかしくないと思うけどね。
ただ単に自分たちだけが儲けようというのではなく、プロ野球全体を潤わせるという目的で、資金獲得を目指してもらいたいと、俺は思うね。
オールスターは1964年に開催された第18回オリンピック東京大会に合わせて、前年の63年から、それまでおおよそ2試合だった試合数を五輪支援と称して3試合に増やして行うようになった。
ところが・・・
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