
今季の大谷の「投打二刀流」はさらにすごみを増すばかり。何より日本の選手たちが見習うべき点が多いはずだ[写真=Getty Images]
爪の縦割れに不安が残るなら高めの高速釣り球を使うべし!
エンゼルス・
大谷翔平の進化は恐るべきレベルに到達した。
今季は、投げてはほぼ中5日の間隔で先発登板して21試合、9勝5敗、防御率3.32の好成績を残している。打っては、両リーグ単独トップの40本塁打を放ち、打率.310をマーク。破壊力と確実性の双方を兼ね備えた打撃を披露している(成績は現地時間8月3日現在、以下同)。
圧巻は、現地時間7月27日にデトロイトで行われたタイガースとのダブルヘッダーだった。第1試合に二番・投手として先発出場、1安打無失点でメジャー初完封勝利(6対0)を挙げて、今季9勝目を飾った。
続く第2試合では、二番・DHで先発出場して、2打席連続の37号2ランと38号ソロを連発している。本当に驚く限りだよ。
かく言う俺も、プロ2年目の1967年10月10日に後楽園球場で行なわれた
広島戦で、ノーヒットノーランをやってのけたことがある。しかも、その試合で3打席連続本塁打の快挙も達成している。だから、その時点では「俺と大谷を比べたら……」などと、思いを巡らせていた。
ところが、「21世紀の投打二刀流」大谷は明らかに役者が違う。トロントで行われた翌28日のブルージェイズ戦に二番・DHで出場すると、いきなり初回の第1打席に自身初となる3打席連続本塁打となる39号ソロを放ったではないか。大谷という男は、やはり只者ではないよ。
俺と大谷の比較論などといったバカげた話は、もう止めておくことにしよう。これからも、大谷は野球の歴史を塗り替え続けることだろう。
今季は最多勝と本塁打王の“2冠”を射程にとらえている大谷だけど、それでも投げるほうに関しては、少し不安が残るね。それは右手中指の爪の状態だよ。ここ数試合の大谷を見ていると、スプリット・フィンガード・ファストボールをまったく投げなくなった。それは、爪の横割れが原因なのではないかと思う。
爪が割れるのは縦割れと横割れの二種類がある。縦割れは血液が下るから、爪に穴を開けて血を抜いたあとで絆創膏を巻いたまま数日間、固定しなくてはならない。だから、しばらくの間は投げることができない。ただ、大谷の場合は横割れだから、絆創膏さえ巻けば、すぐに投げることが可能だ。
スプリットを投げるときには・・・
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