1998年夏――。灼熱の甲子園で松坂大輔が怪物ぶりを発揮した。センバツを制した横浜高はエース・松坂を中心に夏も快進撃。特に準々決勝のPL学園高戦から決勝の京都成章高までの3試合で珠玉の物語を紡いだ。松坂伝説が始まった、あの夏は忘れられない。 文=楊順行 
高3夏の甲子園決勝では京都成章高を相手にノーヒットノーランで春夏連覇を達成
松坂世代を相手に圧倒的なプレー
2020年に就任した横浜高・村田浩明監督から、こんな話を聞いたことがある。
「就任してすぐ、松坂(松坂大輔)さんが激励に来てくれたことがあったんです。いろいろとありがたい言葉をかけていただき、最後にはこうおっしゃいました。『世間では松坂世代って言うだろ。だから、オレが最後までプロ野球でやっていなきゃダメなんだよ。ボロボロだけど、意地でも最後まで……』。ぶれない姿勢、というものを感じました」
1980年度生まれの、松坂世代。入団年を問わず、94人が日本のプロ野球入りしている。個人タイトル獲得者だけでも・・・