シーズンでは貯金2のセ・リーグ3位に終わったDeNA。しかし、ポストシーズンでの戦いぶりは力強かった。逆境に追い込まれても、前を向いて戦い抜いて強敵を打ち破る。三浦大輔監督の下、チーム一丸となり、ついには「下克上日本一」を実現させ、王者にふさわしい戦いぶりを見せた。 日本シリーズでソフトバンクを4勝2敗で下したDeNA。三浦監督は横浜の夜空を5度、舞った
逆境からのスタート
横浜の街に、待ち焦がれた時間が訪れた。11月30日、26年ぶりの日本シリーズ制覇を祝したパレードが盛大に行われた。約四半世紀ぶりの歴史的な歓喜を共有すべく、沿道に集まった観衆はなんと約30万人。日本一に輝いた1998年には現役投手として参加していた三浦大輔監督は、愛し愛された横浜のファンから数え切れないほどの祝福を受け、万感の思いを語った。
「この景色を見られて、最高の気分です。パレードの最中、すごくたくさんの方から『ありがとうございます』と。涙されている方もいました。それを見て、本当に自分たちも感動しました。皆さんと一緒に1年間戦ってきて、本当によかったと思っています」
さかのぼること、3カ月前。チームの潮目が変わる試合があった。8月27日の
阪神戦(横浜)。7月末から9連敗を喫し優勝争いから後退したDeNAは、試合前時点で3位阪神と3.5ゲーム差の4位だった。クライマックスシリーズ(CS)進出争いからも脱落しかねない状況。5対2の7回に登板したR.ウィックが乱れ無死満塁とされたところで、降板を告げにマウンドへ向かった三浦監督は、両手を広げ不満げな態度を見せた右腕に「チェンジ!!」と激高した。
「投手の気持ちも分かる。全員で戦う気持ちだった」
普段は温厚な指揮官が見せた珍しい姿が・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン